おひとりさま「老後資金」が足りない問題。減らせるお金の見つけ方、保険料の見直しは必須
配偶者や大切な人が亡くなってひとりになったとき、老後のお金が心配という人もいるでしょう。しかし、漠然とした不安を抱えているだけでは、具体的な対策を立てられません。相続や老後のお金にまつわる書籍を多く監修している相続実務士の曽根恵子さんに、今持っている財産の確認方法と、老後資金が足りないときどうすればいいのかを教えてもらいました。
資産と負債を把握して「現時点の財産」を知ろう
不安を解消するために、まずは自分の資産と負債を正確に把握することが大切です。この作業で、老後資金に過不足があるのかがわかります。 「資産」には、現金、預貯金だけでなく、株式や債券などの投資商品、生命保険や個人年金などの保険商品、マイホーム(土地・建物)やマイカーなど、換金できるものをすべて含みます。その際、価格は購入価格ではなく、「相続」評価で考えましょう。 「負債」は借入金のことで、住宅ローンや消費者ローン、クレジットカードの未払金などが含まれます。 資産の合計額から負債の合計額を差し引いたものが、純資産残高となり、それがあなたの現時点の財産です。この数字がマイナスの場合は、老後資金が不足している可能性が高いといえます。
現在と老後の収入と支出を洗い出そう
次に、今後の収入と支出を書き出します。まずは現在の家計の年間収支を洗い出します。支出は食費や公共料金、通信費などの基本生活費、住居費、教育費、保険料、ライフイベント費などです。収入は手取り収入で考えます。これにより年間の収支バランスがわかります。 続いて老後の年間収支を考えてみます。老後の収入はほぼ公的年金のみになります。ひとりになると、生活パターンも変わりますし、今度のライフプランも変わってきます。老後の必要額は人それぞれですから、自分にとって本当に必要な額を計算しましょう。 ちなみに、75歳頃の基本生活費は、一般的には現役時代の70%といわれています。
将来的にお金が不足しそうな場合はどうするか?
こうして計算した結果、将来的にお金が足りないようであれば、不足分をどうカバーすればいいかを考えましょう。 まず、支出のなかで「減らせるお金」がないかを検討します。たとえば、ライフイベント費で減らせるものはないでしょうか。リフォーム費用や、子ども・孫のために使うお金に無駄がないかをチェックしましょう。 保険料の見直しも必須です。生命保険、医療保険、がん保険、年金保険、各保険につけた特約など、その保障が本当に必要かどうか考えましょう。子どもが独立していれば、高額保障の生命保険は必要ないでしょう。 そのほか、基本生活費となる固定費で節約できるものがないかを検討します。