豊洲移転、来春~秋にも可能な環境整備へ 小池知事、市場と合意形成を重視
東京都は21日、豊洲市場への築地市場の移転に関する関係局長会議を開き、2018年春から秋にも移転できるような環境を整える方針を確認した。移転時期は、業界団体と調整の上で決定する。
環状2号線は2020年3月までに工事
豊洲市場開場に向けては、8月中旬までに都の環境局に環境アセスメントの変更届を提出。その後、土壌汚染対策の追加工事に関する補正予算の編成、追加工事の実施、農林水産相への認可手続きを行う。風評被害の払拭のため、定期的な見学会の開催や、水質などのデータの公開にも取り組む。 移転後は、築地市場跡地の解体工事、環状2号線の整備工事、東京五輪・パラリンピックの輸送拠点工事を進め、2020年3月までにこれら3工事を終了する予定。築地の再開発は、民間主導で進める方向で検討。都民からもアイデアを募り、豊洲市場の千客万来施設との整合性を図りつつ、開発コンセプトを具体化する。 これまで都は、移転の前提として豊洲市場の土壌汚染を環境基準以下にする「無害化」を掲げていたが、それに代わって、専門的・科学的で妥当な対策や追加対策工事による地上部の安全確保、地下水管理システムによる中長期的な水質改善などを、新たな方針とすることを示し、都議会にも今後理解を求めていく必要があるとした。 小池百合子知事は「市場に関わる人々の不安、思いをしっかり受け止めながら進める」と述べ、移転時期などについて市場関係者との合意形成を重視する姿勢を強調した。 (取材・文:具志堅浩二)