山梨県、今夏の「富士山の入山規制」を効果検証、登山者数は2割減、1日上限を超えた日はゼロ、来夏は静岡県との統一を
山梨県は、2024年夏に実施した富士山吉田口登山ルートの規制について、その効果検証をおこなった。 近年、富士山では国内外の登山者による山頂付近の深刻な混雑や弾丸登山によるマナー違反などが発生。県は、今夏7月1日~9月10日の間、オーバーツーリズム対策として初めて入山料2000円を徴収(別途、任意で保全協力金1000円) 。また、新たに登山ゲートを設置し、午後4時から翌日午前3時までゲートを閉鎖する措置を実施することで1日の登山者数を上限4000人(山小屋予約者を除く)に制限した。 期間中の登山者数は前年比18%減の12万5287人、夜間登山者は同95.1%減の708人となり、1日の登山者数が4000人を超えた日はなかった。また、傷病や歩行困難などの救護相談件数も減少し、同41.3%減の27件にとどまった。 山梨県によると、2023年に見られた外国人登山者の登山道での仮眠、山小屋前での滞留などの迷惑行為は、シーズン当初に一部で見られたものの、大使館への協力要請などの対応を行った結果、7月中旬以降は山小屋などからの苦情ほとんど確認されなかった。 一方で、規制(午後4時)間際にゲートを通過し、山小屋に宿泊せず山頂を目指す「駆け込み登山」や、軽装登山といった課題が浮き彫りになったという。 長崎幸太郎知事は、定例会見で来夏に向けた取り組みについても言及。「2025年の規制は、可能な限り静岡県との統一が図られることが重要」との見解を示した。静岡県からの要請があれば、今夏の情報を共有していく方針だ。
トラベルボイス編集部