「僕らの方が強く思っている」J1アビスパ福岡の守護神・永石拓海 古巣C大阪との「監督退任マッチ」で無失点宣言
J1アビスパ福岡の永石拓海が6日、古巣C大阪戦(9日、大阪・ヨドコウ桜スタジアム)で2試合ぶりの無失点を誓った。 ■勝利の女神がチャント熱唱【写真】 C大阪には福岡大卒業後の2018年から4年間在籍。トップチームでのJ1リーグ出場はなく、試合翌日にメンバー外の選手で行っていた練習をよく見てくれたのが、当時主にコーチだった小菊昭雄監督だった。「若いころにすごくお世話になった方で、今も会うたびに良く話している。また良いプレーを見せられるようにしたい」とモチベーションが高まる一戦だ。 小菊監督は10月中旬、今季限りでの退任が発表された。福岡の長谷部茂利監督も退任が決まっており、どちらも有終の美を飾ろうと結束している。永石は「比べることじゃないけど、監督への強い思いは負けないんじゃないか。僕もシゲさん(長谷部監督)に対する恩がすごく強いので、勝たなきゃいけない」と22年の福岡加入以降、J1リーグで起用してくれた指揮官への恩返しを誓った。 永石はあごの骨折から復帰した9月21日の磐田戦から、J1リーグ戦ではクラブ新記録となる4試合連続無失点をマーク。驚異的な反応でビッグセーブを続けてきたが、2―1で勝利した前節のホーム柏戦(3日)では後半4分、マテウスサヴィオに鮮やかなワンツーパスから決められた。自身にとってもチームとしても5試合ぶりの失点に「もう少しDFと連係して(シュート)コースを限定できれば止められた。キックの感覚も良くなかったし、反省しかないので勝った喜びはあまり強くなかった」と勝利の余韻はない。 今季11勝のうち7勝が無失点勝利。J1で3位タイの34失点に抑えている一方で、攻撃陣はJ1ワーストの31得点にとどまるだけに、少なくとも先制点を与えない展開が勝利には不可欠となる。永石は「(前節)失点した流れを断ち切らないとずるずる行ってしまうと思うので、引き締めてやらないと」と古巣戦へ気合を入れ直した。(末継智章)
西日本新聞社