アップル、「オブソリート(時代遅れ)製品」に2015~16年モデルのMacを追加
アップルはサポート製品リストを更新し、いくつかの旧機種がまた「オブソリート製品」に分類されている。アップルのこの措置を、あるコンピューター修理の専門家は「顧客を脅かす販売戦略」と表現している。 今回の更新では、2016年モデルのMacBookや、2015~2016年モデルのMacBook Pro、2015年モデルのiMacなど、多くの機種がアップルのオブソリート製品リストに追加された。 アップルでは、同社が「販売店への供給を停止した日から7年以上が経過した製品」をオブソリート製品のリストに加えている。同社は、これらの機種の「ハードウェア修理サービスは提供しません。またサービスプロバイダも、オブソリート製品の部品を発注することはできません」と述べている。ただし、ノートブック型Macのバッテリーの修理のみ、最長10年間まで期間が延長される場合がある。 アップルは製品の製造終了に関しては他社とそれほど変わらないが、実は他社の多くよりも長い期間、自社製品のサポートを提供している。しかし、しばしばまだ申し分なく機能する製品に対して「オブソリート(時代遅れ)」という言葉を使用することには眉をひそめたくなる。 例えば、私は昨年、Linux Mint(リナックス・ミント)を使って2013年モデルのiMacにどのように新たに命を吹き込んだかという記事を書いたが、このiMacは現在も自宅のキッチンでエンターテインメントセンターとして毎日活用されている。 コンピューター修理の専門家、リー・グラントは持続可能性について、英国の『PC Pro』誌に「顧客が古くなったハードウェアを使い続けるのをやめさせるために、このような言葉が故意に使われている」と書いている。「これらの機種は、確かにアップルからは時代遅れと見なされているだろうが、十分に機能しており、必要とされるテクノロジーの一部である」とグラントは述べている。 「顧客に、その製品が時代遅れであると告げることは、顧客を脅すように意図された受動的で攻撃的な販売戦略だ」とグラントは続ける。「確かに、10年前の機種に注目する価値はないと考える人々もいるだろう。しかし、地球は急速に温暖化が進んでおり、我々が電子機器を乱造していることもその原因の一部なのだ」 PCやそれらの部品の再利用をビジネスにしている人々の中には、アップルが時代遅れという言葉を選択したことについて、より気色ばむ人もいる。ロンドンでアップル製品の再整備品を販売する会社Hoxton Macsを経営するベン・ヒッグスは、アップルが使っている「オブソリート」という言葉を「不幸な専門用語」と言い表している。 「もはや使用できない、あるいはまったく価値がないという事実を表す決定的な言葉というよりも、時代遅れと見なされながらも実際には十分に使える」機種のことだとヒッグスは言う。 アップルにコメントを求めたが返事はまだない。