ファイト・クラブのブラピ、ロミジュリのディカプリオetc. 40代が学ぶべきシャツの着こなし術
デビューしたての頃は、若きディカプリオに似ていると評判だったデイン・デハーン。『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』で着ていた花柄のシャツはファッショナブルで、そのままランウェイで見ても違和感がなさそうだった。 メッシュのランニングをインナーにしたコーディネイトは、SFコミックが原作の作品にフィットして未来的。プラダの広告モデル(2014年)にも起用されたことがあるデハーンのおしゃれな花柄シャツの着こなしは、さすがだ。
街中で着るシャツよりも、ぐっとくだけて気取らない着こなしになるのが、バカンスでのシャツだ。『君の名前で僕を呼んで』の中でアーミー・ハマーが着ていたボタンダウンのシャツは、夏休みのアメリカンカジュアルの王道だ。 サイズは大きめ。ストライプのボタンダウンのシャツは洗いざらしで、チノのハーフパンツとコーディネイト。足元はもちろんスニーカーだ。太陽が眩しかったらサングラスを掛ければ完璧。 なんの飾り気もないのに、これほど様になるアーミー・ハマーが、作中、ティモシー・シャラメに慕われるのは誰もが納得なのだった。
アーミー・ハマーと同じイタリアのバカンスでも、ジュード・ロウのスタイルはヨーロッパの薫りが漂うようなエレガンスがある。 『リプリー』での彼は、リネンのシンプルな白シャツや、透け感のある黒シャツを焼けた素肌に着て、ラフでありながら大人の色気を出し、最強のシャツの着こなしだ。ボトムは無造作にロールアップしたコットンかリネンの白パンツ。シューズは白の上等なモカシン。 このジュード・ロウのシャツ姿こそ、目指すべき男のスタイルといえそうだ。 石川三千花●イラストレーター、エッセイスト。『石川三千花の勝手にシネマ』(文藝春秋刊)、『石川三千花の勝手にオスカー』(集英社刊)をはじめ、映画のワンシーンと登場人物のファッションを独自の視点で切り取った著書や、セレブリティをコミカルに、センスよく切り取るエッセイにファン多数。 石川三千花=文・イラスト
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