米国債はリスクの高い投資先、「大幅な」米利下げ想定せず-ダリオ氏
(ブルームバーグ): ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者のレイ・ダリオ氏は、米連邦準備制度が「大幅な利下げ」を行うことは想定していないとした上で、最近の米国債市場の変動を踏まえると債券はリスクの高い投資先だとの考えを示した。
ダリオ氏は8日、グリニッチ・エコノミック・フォーラムに出席し、「米国債は素晴らしい投資先ではなかった」と語った。「債券市場には金利リスクがある」と指摘した。
同氏によると、投資家は米当局の急速な利下げ予想で先走りし過ぎている。米連邦公開市場委員会(FOMC)は先月、4年ぶりの利下げで政策金利を0.5ポイント引き下げた。しかし、9月の雇用統計が力強さを示したことから、この先の利下げペースには減速の余地が生じたとみられている。
ダリオ氏は「景気は今のところ比較的良好なバランスを保っている」と述べた。
米国債市場は今年変動しており、2年物利回りは3.5-5%の間で乱高下している。
ダリオ氏は、機関投資家や中央銀行のポートフォリオでは米国債の割合が高く、その割合は大き過ぎるように思われると述べた。地政学的な不確実性も米国債市場にとって問題だと付け加えた。
米国による制裁の可能性があることから「諸外国は米国債の保有について不安に感じている」と指摘した。
ダリオ氏は米大統領選とそれが市場に与える潜在的な影響について語った。トランプ前大統領は「関税引き上げの能力について説得力のある主張をしている」と述べ、自身の計算ではトランプ氏の関税案により年間およそ8000億ドル(約118兆6000億円)の税収増が見込めると付け加えた。
関税はインフレを引き起こすとも述べた。
原題:Ray Dalio Says Treasuries Have Been a Lackluster Investment、Ray Dalio Doesn’t See the Fed Making ‘Significant’ Rate Cuts(抜粋)
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Sonali Basak, Erin Fuchs