助産師めざす看護学生ら、産屋訪れお産の歴史学ぶ 京都府福知山市の大原神社で
安産の神様、京都府福知山市三和町大原の大原神社(林秀俊宮司)に、京都市にある府医師会看護専門学校助産学科の学生が訪れ、神社近くの府指定有形民俗文化財、産屋(うぶや)を見学した。お産の場として使われていた当時の価値観、安産を願う妊婦の思いなどを林宮司が説明し、熱心に耳を傾けた。 助産師をめざす学生が、お産の文化、歴史を学ぶ機会として、授業の一環で毎年訪れている。今年は20代~40代の学生20人が7月30日に訪問。産屋では地域の人が出産時に一週間こもり、お産をしていたことを林宮司が紹介した。 また「神様や自然の力で、元気な赤ちゃんを-という純粋な思いから産屋はでき、神聖な場所という側面と、しゅうとめなどとの関係を考えず、夫婦で気兼ねなく過ごせるため、心が休まる場所だったともいいます」と伝えた。 学生たちは産屋の中にも入り、当時のお産の雰囲気を体感したあと、本殿に移動。これから出会う妊婦の安産とともに、来年2月にある国家試験の合格を祈願した。境内のお産と子育ての資料室も見学した。 学生たちは「昔のお産について学習をしていたので、実際に産屋を見ることができて、とても勉強になりました。今の価値観では衛生や安全面で、産屋での出産はありえないと考えてしまいますが、当時はほかのことを考えず、落ち着いたお産ができていたんだと思います」と話していた。