【未知なるフィリピン美食新時代①】 食材の宝庫・ネグロス島の 歴史と風土がもたらす豊かな味
砂糖産業で栄えたネグロス島へ
セブから国内線で、ネグロス島北西部にある「新バコロド・シライ空港」へ。ネグロス島の中央には縦にのびる山脈(火山)があり、これが自然の境界線となって、島の西側(ネグロス・オクシデンタル州)と、東側(ネグロス・オリエンタル州)で行政区が分かれています。 バコロド市は西側の州都で、「微笑みの街」と呼ばれるほど治安がよく、大型ショッピングモールもある中規模都市。旅の拠点には最適です。 ネグロス島は砂糖産業で繁栄した島。平地には、肥沃な火山性の土壌を活かしたサトウキビ畑が広がっています。 島の最北部・マナプラ市に位置する「ハシエンダ サンタ ロサリア」は、ネグロス島の砂糖産業の先駆者として知られるガストン家の農場と、1930年代に建てられたコロニアル調の邸宅がある場所(ハシエンダ=サトウキビ農園のこと)。事前に予約しておけば、ガイド付きのハウスツアーやビュッフェ形式の食事も可能です。 邸宅の屋上に登って周囲を眺めてみると、見渡す限りほぼすべてが、ガストン家が所有するサトウキビのプランテーションであることが分かります。その規模たるや、ほぼ“村”。 必見は、敷地内にある「カートホイールズ礼拝堂」。1967年にガストン家の一人である故・ギレルモ ガストン神父によって建てられたもので、つい最近まで農場で働く労働者のために現地の言葉でミサが行われていたそう。神父が亡くなったいまでも、結婚式などのイベントに利用されています。 建物は、廃棄されたサトウキビの荷車の車輪(カートホイール)などの農機具でつくられ、屋根はフィリピンの伝統的な帽子サラコットをモチーフにしているとか。中央にあるキリスト像も、農作業に従事する人の姿形を模しているそうで、異教徒もやさしく受け入れてくれそうな、親しみやすいお顔をされていました。 ハシエンダ サンタ ロサリア Hacienda Santa Rosalia