【未知なるフィリピン美食新時代①】 食材の宝庫・ネグロス島の 歴史と風土がもたらす豊かな味
7,641の島々からなるフィリピンで、とりわけ食が豊かな「ネグロス島」。砂糖産業で繁栄した歴史があり、古くから交易のあった中国や、宗主国だったスペイン、アメリカの文化の影響を受けながら発展した美食の島として、新たな注目を集めています。まずは島へのアプローチと、その歴史、フィリピン料理のイメージを一新するダイニングをご紹介。 【画像】魚貝の旨みを吸ったお米の炊き具合が絶妙なパエリア。©shifumy
成田からセブ経由でネグロス島へ
ネグロス島は、7,641の島々からなるフィリピンの中部、セブ島の隣にある島です。フィリピンで4番目の大きさ(日本の四国よりやや小さいくらい)で、母語は英語とイロンゴ語。国の公用語は英語と、タガログ語をベースとしたフィリピノ語ですが、タガログ語はもともとマニラのあるルソン島で主に使われている言葉で、フィリピンには100以上の言葉があるのだとか。そのため、地元以外では英語を話す人が多いのだそうです。 日本からネグロス島への直行便はなく、マニラかセブ(島)を経由するのが一般的。今回は、フィリピン最大のLCC「セブ パシフィック航空」を利用し、往路をセブ、復路をマニラ経由にして、3つの島をめぐりました。 成田からセブへは約5時間、セブからネグロス島へは約50分、ネグロス島からマニラへは1時間強のフライトになります。フィリピンと日本の時差は1時間なので、時差ボケの心配はなし! セブ パシフィック航空 Cebu Pacific セブの玄関口「マクタン・セブ国際空港」は、セブ島沖の小さな島、マクタン島にあります。セブ本島とは3本の橋でつながっているので車で行き来できますが、じつはマクタン島こそ、フィリピン随一のリゾートエリア。空港から車で20分~30分の南東海岸側には10kmもの白砂のビーチが続き、高級リゾートが建ち並んでいます。 なかでも指折りの大型高級リゾートが「クリムゾン リゾート アンド スパ マクタン」。中央には白砂のプライベートビーチにつながるラグーンタイプのインフィニティプールがあり、40棟のプライベートプール付きヴィラが点在。さらに“ネオアジア”をコンセプトにした250室のゲストルームがあります。 こちらでぜひ体験したいのが、「オウム スパ(AUM SPA)」。ワールド・ラグジュアリー・スパ・アワードでフィリピンのベスト・リゾート・スパに選ばれたことのある、高い技術とホスピタリティが評判です。スパ専用のプールもありますよ。 レストランのイチ推しは、スペイン料理の「エニエ バイ チェレ ゴンザレス(Enye by Chele Gonzalez)」。スペインのバスク出身でフィリピンに移住したチェレ ゴンザレスさんは、フィリピンにファインダイニングのカルチャーを持ち込んだ人物。多くのシェフから尊敬されています。 そんな彼が手掛けるレストランは、セブでもっともおいしく、これまでのレストランとは別格、と評判。チェレさん自身、「セブの食文化を発展させるためにこの店をつくった」と表明しており、セブにおける美食の最先端であることは間違いありません。フィリピンの食文化を取り入れた、ここでしか味わえないモダン・スパニッシュを味わうことができます。 クリムゾン リゾート アンド スパ マクタン Crimson Resort and Spa Mactan