V長崎、MF山口蛍ら新戦力が入団会見 20周年の節目「過去最高のメンバー」
サッカーJ2のV・ファーレン長崎は8日、長崎市の本拠地ピーススタジアムで新加入選手の入団会見を開いた。新たに加わる10選手のうち、この日J1横浜Mからの完全移籍が発表されたDFエドゥアルドを除く9人が参加。J1連覇の神戸から加入したMF山口蛍は「目標は一つ、J1昇格。それ以外にない」と決意表明した。 昨季のJ1クラブから4人、J2から2人、J3から1人を完全移籍で獲得。大卒ルーキー3人を迎え入れた。阪南大からプロ入りしたMF齋藤遼太はV長崎U-18出身。大学を経由してトップチームに戻ってきた初の事例で「ユースの選手に希望を与えたい。長崎出身なので長崎でプレーできてうれしい」と入団を喜んだ。 下平隆宏監督も「いい補強ができたんじゃないか」と納得の陣容。数字的な目標を「試合数×2(勝ち点76)」と掲げて「ホームで全部勝ちたい思いがある。難しいことも出てくると思うが、スタジアムで応援してくれるファン、スタジアムシティがあるから行ってみようというお客さんに勝つ試合を見せて、また次も見たいっていう循環を起こしたい」と意気込んだ。 1日付で就任した田河毅宜社長も会見。「過去最高のメンバーでシーズンを迎える。クラブ20周年の節目に何としてもJ2優勝、J1昇格を勝ち取る」と言葉に力を込めた。昨年10月のピーススタジアム開業以降、ホーム戦の観客数は2万人前後で推移しており「今季は最初からピースタで開催するので、今立てている入場料収入は(昨年の)数倍。2倍とかではない」と集客に自信をのぞかせた。 ◎主力流出3人のみ 大型補強成功 8季ぶりのJ1昇格に向けてV長崎は主力の流出を抑え、ピンポイントの大型補強に成功した。昨季の成績(3位)と今季の顔触れを踏まえると、J1から降格してくる3クラブと遜色ない、優勝本命とも言える陣容になった。 昨季コンスタントに出場していた選手のうちクラブを去ったのは前主将のMF秋野、期限付き移籍でプレーしていたDF田中とGK若原の3人のみ。代わりに元日本代表のMF山口、横浜Mで昨季J128試合出場のDFエドゥアルド、J2トップ級と評されるGK後藤を迎え入れ、パワーアップを印象づける。 強化担当の竹村テクニカルダイレクターは「ぶっちぎりでJ1昇格できるように編成した」と説明する。昨季2桁得点を挙げた“外国人カルテット”を残留させて攻撃力を維持しつつ、失点を減らすために守備的な選手の補強に注力した。 J2では外国人選手が一度に出場できる人数は1試合4人まで。エドゥアルドを含めた現状5人をどう使い分けるか、起用法やピッチ外のマネジメントも肝になる。フィジカルに秀でた新加入のFW山﨑が役割を果たし、さらにMF笠柳、MF松澤、MF中村らの得点力が増せば采配の幅はぐんと広がる。センター線の田中と秋野がいなくなり、攻撃の組み立て方にも変化がありそうだ。 下平監督からは「各ポジション、戦える選手が2セットそろっていれば盤石」とリクエストがあったという。現在35人の契約が発表されており、既に昨季開幕時の32人より3人多い。あと1人程度増える可能性もある。 来年はJリーグのシーズンが秋冬制に移行されるため、春夏に昇降格がない特別大会が予定されている。今季を逃せばJ1昇格の機会も遠のくだけにしっかりと結果を出したい。