「精子力」高めるためにどんな治療が必要か まずは専門医による検査で自身の状態を知る 自宅で状態がわかる簡易キットの活用も
「意識されていない方が多いと思いますが、ご自身の精液を1回は調べおくことをお勧めします。最近は、ご自宅で自分の精子の状態がわかる簡易キットがあるので活用して損はないと思います。もし精子濃度が低い、運動率が悪い、という結果であれば医療機関に足を運んでいただきたいです」
外来で専門医に相談すれば、アドバイスだけでも精液所見の改善が期待できるものなのだろうか。
「海外のデータでは、運動習慣プログラムを取り入れ精子所見が良くなったという報告もあります。性機能障害についても、さまざまな提案をさせていただきます。ただ、明確にこれをやったからこれだけ改善する、という単純なものではありません。精神的なものを含め複雑な要因が絡んでいます」
精子力アップにサプリメントや漢方薬は有効なのか。
「特発性の男性不妊症に対し抗酸化力を持つものは有効かもしれません。エビデンスが十分ではありませんが、コエンザイムQ10や漢方薬の補中益気湯(ほちゅうえっきとう)やビタミン剤は効果があると感じます」
なかなか一筋縄ではいかない妊活。挙児を目指すなら、女性側、男性側がそれぞれどんな治療をしているかの理解をパートナー同志で深め、お互いに協力することも欠かせない。 (取材・熊本美加) =あすにつづく
■平松一平(ひらまつ・いっぺい) 順天堂大学大学院医学研究科泌尿器科学講座助教。2013年順天堂大学卒業。日本生殖医学会が定める認定研修施設の一つである獨協医科大学埼玉医療センター・国際リプロダクションセンターでの研修を経て、現在、順天堂医院で男性妊活外来を担当する。生殖医療専門医、泌尿器科専門医・指導医、日本性機能学会専門医、内分泌代謝科(泌尿器科)専門医、日本排尿機能学会専門医、難病指定医。