CLAMP35周年記念の展覧会を世代ドンピシャのファンライターがレポート【後期展示がスタート】
さまざまな愛のカタチに触れる「LOVE」のエリア
親愛、家族愛、友愛……ありとあらゆる愛の形が描かれているCLAMP作品。例えば『カードキャプターさくら』に登場する愛の形の多様さに衝撃を受けたという人も多いでしょう。 「好き」という告白シーンが集められた一角では、同じ見開きで、同じ単語を使っていても全く違うシーンの数々に驚きます。
平成~令和を駆け抜ける「ADVENTURE」エリア
先に進むと、「ADVENTUREエリア」に。本の中に飛び込むような入口が素敵です。 さまざまな伏線が影響し合うストーリーテリングもCLAMP作品の魅力の一つ。代表作『東京BABYLON」や『X-エックス-』、『カードキャプターさくら』などの本編原稿を、物語を読み進めるように展示されています。 その数はなんと350点以上! コミックスを持っている作品でも、ついつい「読んで」「楽しんで」しまいます。
ストーリー形式で生原稿が!
アナログ原稿ならではのホワイト修正やトーンワークといった、生原稿ならではの迫力、美しさが感じられます。漫画という日本が誇る表現がいかに繊細で美しいものかが伝わってきます。髪の毛の表現が細かすぎる……! なお、この部屋の上部にはコミックスの表紙やクロウカード、モコナなど、さまざまな装飾が施されていますので、お見逃しなく!
激動の時代を感じるコーナーも
『東京BABYLON』のコーナーでは、ノストラダムスの大予言やダイヤルQ2が登場する回、外国人に対する偏見に苦しむ女性を描いた話があります。 CLAMPのデビューはバブルが弾け、消費税が導入された平成元年。阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件が起こり、携帯電話が登場と、平成から令和は、目まぐるしく日々が変化してきました。激動の時代を反映し、常に時代の波を感じながら、常に新たな表現を模索してきたことがわかります。
巨大なインスタレーションを楽しめる「MAGIC」エリア
天使にロボット、マスコット……CLAMP作品はファンタジーをメインテーマに据えたものがたくさんあります。中でも印象的なのが「魔法」。さくらや光、昴流(彼は陰陽師ですが)の真似をした覚えはありませんか? 部屋には3つの巨大なスクリーンがあり各作品に登場したキャラクターが次々と浮かび上がります。漫画がそのままアニメーションになったような、没入感のあるインスタレーションが楽しめますよ。