【平田―創成館】七回裏創成館無死三塁、長田の中犠飛で生還する猿渡選手＝阪神甲子園球場で２０２０年８月１１日、藤井達也撮影

　２０２０年甲子園高校野球交流試合の第２日の１１日、創成館は第２試合で平田（島根）と対戦し、４―０で快勝した。自慢の守りからリズムを作り、後半の集中打で一気に突き放した。１試合限りの晴れ舞台で有終の美を飾った創成館ナインは、晴れやかな表情で甲子園に校歌を響かせた。【中山敦貴】 【真夏の熱闘】交流試合の写真特集はこちら 　◇「オール３年生」持ち味 　「オール３年生」の布陣で臨んだ創成館は随所に堅守が光り、投手陣は相手打線を散発３安打に抑えるなど「守りの野球」を存分に発揮。三回以降は二塁を踏ませなかった。攻撃陣も１０安打を放つなど投打ががっちりかみ合い、平田に突き入るすきを与えなかった。 　ポイントになったのは序盤の守りだった。二回、先発左腕の白水巧投手が３四球を与えるなど制球を乱し、２死満塁のピンチを迎えた。ここで次打者の難しい三ゴロを照屋寧生（ねい）選手がうまくさばいて間一髪アウトにし、先制点を与えなかった。三回には併殺を奪って流れを引き寄せた。 　その直後、創成館は左前打で出塁した矢野流々希（るるき）選手を二塁に進め、田中雄大選手が中前打を放ち、待望の先制点を挙げた。 　白水投手はその後立ち直り、六回から継投した坂口英幸投手も好投。投手陣の力投に奮起した打線は七回、先頭打者の猿渡颯選手が両チーム初の長打となる右中間三塁打を放ち長田雄生選手の中犠飛で生還して加点した。 　八回には代打の岩崎聖英選手が気迫のヘッドスライディングでもぎ取った内野安打を皮切りに、二日一涼介選手、猿渡選手の連続適時打で２点を加え、試合を決めた。 　◇母校で１、２年生　来年に決意新た 　甲子園に行けなかった１、２年生約８０人は諫早市の創成館高校でネット中継を観戦。九回から登板した前田泰志投手が試合を締めると、メガホンをたたいて喜びを爆発させた。 　次期主将の引地幹太選手（２年）は、八回に途中出場した上原祐士主将の意地の一打に感極まり、「来年は自分がチームを甲子園に連れて行く」と目を赤くした。 　１９４センチの大型左腕、鴨打瑛二選手（同）は「走者を背負っても全力投球で無失点に抑え、素晴らしいとしか言い様がない」と先輩の躍動に目を細め、「今秋の九州大会は長崎で開催されるので、エースとして相手打線をゼロに抑えたい」と自覚を新たにしていた。 ……………………………………………………………………………………………………… 平田 　　０００００００００＝０ 　　００１０００１２×＝４ 創成館 　（平）古川、高橋―三島 　（創）白水、坂口、前田―浦辺、中庭 ▽三塁打　猿渡（創） 〔長崎版〕