和紙手すき、海外客増 南砺・五箇山の里で体験 今年度、1万2000人最多ペース
●広報強化、口コミも 南砺市の「五箇山和紙の里」で和紙の手すきを体験する外国人客がコロナ開け後、急増し、今年度は過去最多の1万2千人台の見通しとなっている。金沢や岐阜・高山を見て回った観光客がバスで五箇山に入るケースが多い。海外の旅行会社の認知度が高まったとみられ、関係者はさらなる誘客を図る。 五箇山和紙の里は「道の駅たいら」に入居する市施設。訪れた外国人客の多くが手すきを体験する。 今年度は11月末時点で1万1014人となり、年度末には1万2千人台になるとみられる。国別では米国がトップで英国、豪州、カナダ、イスラエルと続く。国内客を含めた今年度の体験者は1万2791人で、86%が外国人となっている。和紙すき体験は予約制で、3、4月の一部の体験可能日は予約で埋まる。 外国人の体験者数はコロナの感染が警戒された2020年度は4人、21年度は3人だけだった。22年度に2564人に急増し、23年度には4・3倍の1万1064人となった。 和紙の里では旅行会社に体験内容を説明するなど広報活動に力を入れた。海外の旅行会社は、アンケートなどで旅行者の満足度を調べた上で次回以降の観光先を決めると聞き、もてなしに工夫を重ねた。 和紙すきの体験時間は約20~30分で、観光客が枠を使ってコウゾの木の繊維をすき取る。好みの飾り模様を入れ、はがき大の和紙3枚を仕上げてもらう。 その場で仕上がりを見て楽しめるよう急速乾燥を取り入れている。水口浩巳事務局長(61)は「観光客の口コミの影響も大きい。もてなしの心でこれからも応対していきたい」と話した。