【国際政治学者が解説】トランプ氏の勝利宣言で今後どうなる? イエスマンで固めて「1期目とは全く別の政権になる」「日本は彼の言い値でやるしかない」【アメリカ大統領選】
アメリカ大統領選で、共和党のトランプ氏は日本時間の6日午後4時半ごろ、支援者が集まる集会場で勝利宣言しました。 トランプ氏が大統領となった場合、日本にはどのような影響があるのでしょうか。アメリカ出身で国際政治学者の簑原俊洋(みのはら・としひろ)さんが解説します。
トランプ氏が事実上の“勝利宣言” 支持を集めた背景は?
――Q.今回の大統領選ではトランプ氏の勝利宣言までかなりスピード感があるように感じたが? 簑原さん:もし負けていたなら、トランプ氏がもっと早く勝利宣言していた思うので『もう勝てる』と思った自信があったからこそ、このタイミングだったのかなと思いますね。ペンシルベニアの開票が時間かかるということで少なくともあす、あさってまではかかるというシナリオは十分想定していました。 ――Q.トランプ氏が大統領になった場合、どのような政権になっていく? 簑原さん:1期目とは全く別の政権になると思われます。前提として忘れてはいけないのは、2016年の共和党ではないということです。あの時は、いわゆる伝統派、ロムニー氏やフレーク氏など、ブレーキ役になる共和党の人もいたわけです。さらに側近にも、トランプ氏に対する忠誠心よりも合衆国憲法に対する忠誠心を重んじる人たちが入りました。こういった人たちが2期目も入るかというと、トランプ氏も1期目から学んでますから、おそらく自分のイエスマンで固めていくというのが、彼にとって合理的ではないでしょうか。 ――Q.トランプ氏が強い支持を集めた背景は? 簑原さん:今回は一種の革命だったんじゃないのかと思います。民主党はかつての共和党と同じように、『エリートのための政党』と。それに対して今回、アメリカの大卒未満のワーキングクラスが今のアメリカの方向性に対してノーを突きつけたわけです。アメリカはワーキングクラスが圧倒的に多いので、今後彼らがアメリカの政治で非常に大きなプレーヤーになっていくでしょう。 2016年以前は彼らは選挙に関心がありませんでしたが、トランプ氏がそうした声を『忘れられた人たち』という言葉を使い、彼らの支持を吸収できたということに、勝利の要因があったのかなと思います。