村田諒太の王座奪還劇が関西最高視聴率20%超えでプロ野球球宴に勝った意義とは?
WBA世界ミドル級王座を雪辱のリマッチで奪還した村田諒太(33、帝拳)の試合中継の視聴率が平均11.9%で、関西の最高視聴率が20.8%だったことが16日、ビデオリサーチの調べで明らかになった。裏番組では、プロ野球のオールスターゲームがあったが、こちらの平均視聴率は9.1%で、村田の劇的勝利が上回った。視聴率だけでなくボクシング界からは「ボクシング界を救った」との声が挙がっている。 エディオンアリーナの感動は視聴率に反映されていた。12日、村田が王者のロブ・ブラント(28、米国)を“魂の猛ラッシュ”で圧倒する2ラウンドTKO勝利で9か月ぶりにベルトを取り返したが、午後8時からフジテレビ系列で生放送された視聴率が、最近のボクシング中継では異例の立派な数字を叩き出したのだ。 放送は、先にWBC世界ライトフライ級王者、拳四朗(27、BMB)の6度目防衛戦が流され、拳四朗も4回TKO勝利したが、こちらは平均8.4%。だが、続いて午後9時20分過ぎから行われた村田の試合は、平均11.9%で、最高視聴率が14.9%だった。 村田は奈良生まれで南京都高校(現在・廣学館高校)出身。試合が大阪で行われたことも手伝って関西地区では、さらに数字が跳ねあがり、関西地区平均12.9%。最高が20.8%。裏番組では、プロ野球のオールスターゲームの第1戦が東京ドームであったが、こちらの平均視聴率は9.1%。村田の感動勝利が、プロ野球のスターが集結する真夏の祭典を超えたことになる。 ちなみに、この時間帯のトップは、TBS系で午後8時からあった「笑える!泣ける!動物スクープ100連発3時間SPECIAL OTHERS」の13.9%で、続いてNHKの「チコちゃんに叱られる」の12.7%だった。視聴率低迷を抜け出せていないフジテレビ系列としては、村田の11.9%は、この日の最高視聴率だった。 ボクシング界からも「村田がボクシング界を救った」という称賛の声が挙がっている。JBC(日本ボクシングコミッション)の安河内剛事務局長も「もし村田選手が負けていれば大変なことになっていました。井上尚弥選手はいますが、ボクシング界の火が消えてしまうかもしれないという危惧がありました。素晴らしいKO勝利でボクシング界を救う意義ある勝利となりました」と胸をなでおろしている。 しかも、村田のTKO勝利は視聴率という数字に反映された。 「いいカード、そして、いい試合内容なら視聴率が取れるんだということを証明しました。先日も、井上尚弥選手のWBSSの準決勝は、録画であったにもかかわらず2桁をマークしました。ファンは内容を見ているんですね。もう世界戦というだけで評価される時代ではありません。そこに今後、我々が向かっていくべき方向性のヒントが見えた思います。村田選手の勝利は、そういう意味で意義があり、ボクシング界にとって大きかったんです」