J1ジュビロ磐田が湘南に0-2から逆転勝ち…MFレオゴメスが決勝の来日1号
◆明治安田J1リーグ▽第16節 磐田3―2湘南(25日・ヤマハ) ジュビロ磐田は湘南から今季初の逆転勝ちを収めた。開始15秒で失点するなど前半2点のビハインドを負ったが、同アディショナルタイム(AT)5分、MF山田大記(35)が反撃の今季1号。後半さらに盛り返し、37分にFWペイショット(28)が同点ゴール、同41分にMFレオゴメス(27)が決勝の来日1号を放り込んだ。6試合ぶりの白星で暫定12位に浮上した。 *** 未来を担う子どもたちに、届けたい思いがあった。この日は毎年恒例の「一斉観戦授業」。ジュビロは磐田市内の全小学校から駆けつけた5、6年生3000人に、死に物狂いの逆転劇を披露した。MF山田主将は「小学生の力で勝たせてもらいました」と背中を押してくれた存在に感謝した。 開始わずか15秒でクロスから先制され、29分にもPKで失点。漂う敗色ムードをキャプテンが一変させた。前半AT5分、山田はペナルティーエリア右に進入し、MF平川からパスを受ける。「ふがいない展開の中で1点でも返す」と左足でニアをぶち抜いた。J1での得点は19年8月の湘南戦以来5年ぶり。横内昭展監督(56)も「質の高いプレーだった」とたたえた。 決勝点は苦しんできた助っ人が奪った。ペイショットの同点ゴールから4分後、敵陣の中央でクリアを拾ったレオゴメスは浮き球を胸トラップ。「シュート以外の選択肢はなかった」と右足で豪快ミドルをたたきこんだ。 来日1年目の今季は開幕スタメンを射止めるも、4月20日の福岡戦でパスミスから失点にからむなど本領発揮できずベンチ外も経験。「ミスは試合に出ているからこそ出る」と自分に言い聞かせ、持ち味のボール奪取力をアピールして5月15日の札幌戦から先発を奪回していた。得点後は「子どもたちの心に焼き付いてくれたかな」とバックスタンドに猛ダッシュし、チビっ子らと喜びを分かち合った。 5月は東京V、鳥栖、札幌と下位に連敗。勝ち点1差の湘南戦の重要性は全員が理解していた。「3敗は重く受け止めていた。この1勝は大きな意味がある」と山田。エースFWジャーメインが負傷離脱して以降、初めて複数得点を奪った。次は6月1日、敵地で横内監督の古巣・広島と対戦する。ようやくトンネルを脱したジュビロが再び加速する。 (武藤 瑞基) FWペイショット(後半37分、貴重な同点ゴール)「諦めずにやってきたことが結果になっている。チームみんなにおめでとうと言いたい」 MF金子翔太(ペイショットのゴールをアシスト。途中出場で2試合連続得点にからむ)「悔しい思いをしている選手がいることは分かっている。高め合って強くなっていきたい」
報知新聞社