子どもへの「甘やかし」と「寄り添い」の違いは?「どうせダメと言ったらめんどくさいことになる」と先入観がある場合は<甘やかし>かも。子どもが自立・自律に向かう考え方とは
「習い事やスポーツ、知育など詰め込みすぎていないか不安」「子育てに毎日一生懸命で疲れている」など、<詰め込みすぎの子育て>に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。1万人以上の子育ての悩みを聞いてきた、モンテッソーリ教師あきえさんによると、自信をもって子育てするためには、<子育ての引き算>が大切なのだそう。世界の約140ヵ国で行われている、子どもの自立と自律を助ける教育方法・モンテッソーリ教育から分かることは――。今回は、あきえさんの著書『詰め込みすぎの毎日が変わる! 子育ての「引き算」』から、一部を抜粋してご紹介します。 【書影】自分で考えて行動できる子になるために、何を減らし何を残すかがわかる!モンテッソーリ教師あきえ『詰め込みすぎの毎日が変わる! 子育ての「引き算」』 * * * * * * * ◆Q.何でも子どもに寄り添うべき? A.「寄り添う」ことと「何でもOK」は違います 子育てをしていると、「子どもには何でも寄り添うべき?」「でも、甘やかしてはいけないし……」と悩むことがあるかもしれません。 子どもの成長のために良いかかわりをしたいという思いはきっとみなさん同じだと思います。 実は、この悩みは「寄り添う」と「甘やかし」を区別することで解消できます。 「寄り添う」ことと「何でもOK」はまったく違うものなのです。
◆「寄り添う」と「甘やかし」の違いとは 子どもの育ちに必要なのは、「寄り添い」です。 「子どもに寄り添う」とは、子どもの気持ちを受け止め、共感し、支えることです。 たとえば、子どもに悲しいことがあったときに、「そんなこと言ってないで」などとあしらうのではなく、「悲しかったね」「何が悲しかったの?」とその感情に共感し、寄り添います。 そうすることで、子どもは「自分は大切にされている」と感じ、安心感を抱くことができます。 このような共感を通して、子どもが他人や自分をとりまく環境への信頼感を育んでいくことにもつながります。 一方で、「甘やかし」とは、子どもの欲求や主張に無条件で応じることです。 たとえば、「今すぐお菓子が食べたい!」と言われて、何でも許してしまうと、子どもは「自分の要求は常に通る」と誤解してしまうこともあります。 ここで大切なのは、「寄り添う」ことと「甘やかす」ことの違いを理解することです。
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