アラン・ドロンさん（ＡＰ）

　映画「太陽がいっぱい」などに主演したフランスのスター俳優アラン・ドロンさんが死去したと１８日、親族が明らかにした。同国メディアが伝えた。８８歳だった。５７年にスクリーンデビューし、“世紀の二枚目”と称された端正なルックスで日本でも高い人気を誇った一方で、奔放な恋愛観や私生活で世間をたびたび騒がせた。今年２月には、自宅から銃器などを押収される騒ぎを起こしたばかりだった。 ＊　＊　＊　＊ 　類いまれな美貌で一世を風靡（ふうび）したものの、７０年代半ば以降はその勢いが低迷し、「お騒がせ俳優」のイメージが強くなったドロンさん。一方、日本では米ハリウッドの人気俳優と肩を並べるスーパースターとして長く支持を集めた。 　当時若手俳優だった水谷豊が「ライバルは？」と問われ、スター気取りで「アラン・ドロンかなぁ～？」と答えながら、後方に倒れるスナック菓子のＣＭ（７７年）は当時の子供たちがまねするほどの人気に。二枚目の代名詞として「アラン・ドロンのような」という形容が典型的な美男子を指す言葉として定着した。その後も、谷隼人ら日本の二枚目俳優が“和製アラン・ドロン”などと呼ばれた。 　日本での高い人気を見込み、実業家としても度々来日。自身の名前を冠したブランド「アラン・ドロン・クラブ」のＰＲのために各地を回ったこともある。 　２００７年には、フジ系バラエティー「ＳＭＡＰ×ＳＭＡＰ」にゲスト出演し、人気コーナーだった「ビストロＳＭＡＰ」に参加。木村拓哉と稲垣吾郎に対し、若さを保つ秘けつとして「女性と付き合うこと」を挙げ、「実践してください」とリクエスト。アイドルに対するまさかの“指南”でお茶の間を沸かせた。