中山秀征 芸能界で42年、生き残れた強みを語る。「テレビ好きの情熱だけで、中学3年で単身上京。飽きられないのは、家族のおかげ」
◆家族との暮らしが仕事にプラス つまり、家庭があって、家族との暮らしがあったからこそ、移り変わっていく時代の空気をリアルにとらえることができたんじゃないかと。生活人としての様々な発見や情報を、妻や息子たちから教えてもらったと言いますか。30歳で結婚するまでは、仕事オンリーの人生を突っ走ってきたけれど、妻と一緒になり4人の息子たちが生まれたことで、初めて自分が人間らしくなり、生活者としての視点を持てるようになったのだと思います。 息子たちが小学校を受験するときは一緒に面接の練習に行き、トークがウリの僕なのに、先生から「お父さん、そんな喋り方ではダメですよ。保護者の面接もありますから」と叱られてしまったり。(笑) 小学校の運動会がある日は、朝の5時から並んで席を取ったこともありました。それまでは芸能界のことしか知らなかった自分が、子どもたちが通う学校の行事に参加したり、PTAのイベントで一般の保護者の方々ともおつきあいをするようになり、世界がどんどん広がっていきました。テレビを見てくださっているのはまさにこうした方々です。視聴者のみなさんの視点や常識がわかったことは、自分の仕事にとっても大きなプラスになりました。 (構成=内山靖子、撮影=本社◎武田裕介)
中山秀征