和田毅引退で「松坂世代」が完結…投手成績を見直すと面白い「じつは松坂大輔より和田と杉内俊哉の方が」「メジャー挑戦は藤川球児ら4人」
和田毅の引退によって、いわゆる「松坂世代」の選手がすべてNPBでのプロ野球選手のキャリアを終えた。松坂大輔を筆頭に、NPBでどのような記録・実績を残したか。投手・野手編に分けつつ、名選手の多い「世代」についても調べてみた。〈全2回〉 【貴重写真】「わ、わかい…ほそい」和田17歳や松坂、球児「じつは投手だった」村田など“松坂世代”の若き日…大谷17歳ガリガリなのに甲子園で衝撃の特大HRなど名選手160人超の高校時代を見る
和田の引退で「松坂世代」の成績が完結した
ソフトバンクの和田毅が引退した。万全の体調であれば、劣勢になった日本シリーズで登板して、ベテランならではの持ち味を発揮して、潮目を変えるかもしれなかっただけに残念だ。近年のプロ野球で「遅い速球」が武器になった点では、上原浩治と双璧だっただろう。 そんな和田毅の引退は「松坂世代=1980年4月2日~1981年4月1日に生を受けたプロ野球選手たち」の時代が完結したことを意味する。実は久保康友(80年8月6日生)がドイツの野球ブンデスリーガのハンブルグ・スティーラーズで投げてはいるのだが、NPBに限れば「終焉」ということになる。 ちなみにNPBでは松坂世代より1学年上のヤクルト石川雅規(80年1月22日生)が現役続行を表明している。今季のMLBでは松坂世代より1学年上(アメリカでは言わないが)の左腕投手リッチ・ヒル(80年3月11日生)が、8、9月にレッドソックスで投げている。 「松坂世代」には、本当に楽しませてもらったという思いが強い。 筆者が取材したある少年野球チームの指導者は、多摩川の河川敷の球場で中学時代の松坂大輔と試合をしたことを語ってくれた。江戸川南リトルシニアに所属していた松坂の球は、強烈にホップして「バットに当てるどころではなかった」とのことだ。松坂大輔は少年時代から、多くの同世代に強烈な印象を与えていたのだ。 松坂世代のプロ野球選手について、記録で振り返ろう。まずは投手編。カッコ内は生年月日。勝利数20傑で並べている。MLBの成績は含まない。まずはトップ10から。 和田毅(81年2月21日)浜田高ー早稲田大/ダイエー・ソフトバンク 334試160勝89敗0S3H 2099.2回 率3.18 杉内俊哉(80年10月30日)鹿児島実業高-三菱重工長崎/ダイエー・ソフトバンク、巨人 316試142勝77敗0S0H 2091.1回 率2.95 松坂大輔(80年9月13日)横浜高/西武、ソフトバンク、中日、西武 219試114勝65敗1S0H 1464.1回 率3.04 久保康友(80年8月6日)関大一高-松下電器/ロッテ、阪神、DeNA 304試97勝86敗6S20H 1540.1回 率3.7 館山昌平(81年3月17日)日大藤沢高ー日本大/ヤクルト 279試85勝68敗10S24H 1392回 率3.32 新垣渚(80年5月9日)沖縄水産高ー九州共立大/ダイエー・ソフトバンク、ヤクルト 172試64勝64敗0S0H 1077.1回 率3.99 木佐貫洋(80年5月17日)川内高ー亜細亜大/巨人、オリックス、日本ハム 215試62勝72敗10S0H 1135回 率3.76 藤川球児(80年7月21日)高知商業高/阪神 782試60勝38敗243S163H 935.1回 率2.08 久保裕也(80年5月23日)沖学園高ー東海大/巨人、DeNA、楽天 506試54勝37敗37S113H 767回 率3.45 久保田智之(81年1月30日)滑川高ー常磐大/阪神 444試41勝34敗47S117H 612回 率3.16
【関連記事】
- 【つづき→】“最強世代”じつは松坂世代でも大谷世代でもなく…「野球殿堂、2000安打各4人」同学年とは
- 「和田毅は早慶戦のマウンドで…」松坂世代“慶應大4番バッター”が語る、じつは旧友にひっそり告げていた引退決断の真相「珍しく弱音を吐いた」
- 大谷翔平21歳「そんな人は信用できませんよ」長年追う番記者が“唯一本気で怒られた日”の自戒…「節度を持った取材、できているか?」
- 松坂世代最後の現役選手・和田毅43歳は、なぜ年々進化できるのか? 2年前に起きた体調の変化「登板日の朝に限って…」
- 【貴重写真】「わ、わかい…ほそい」和田や松坂、球児「じつは投手だった」村田など“松坂世代”の若き日…大谷17歳ガリガリなのに甲子園で衝撃の特大HRなど名選手160人超の高校時代を見る