「非常戒厳」巡り崩れゆく韓国軍
韓国国防部(省に相当、以下同じ)は6日、12・3非常戒厳で戒厳軍指揮官として兵力を指揮した呂寅兄(ヨ・インヒョン)国軍防諜司令官、李鎮遇(イ・ジンウ)陸軍首都防衛司令官、郭種根(クァク・ジョングン)陸軍特殊戦司令官の3人の職務を停止した。国防部検察団は同日、内乱罪などで告発された防諜・首防・特戦司令官の3人組と朴安洙(パク・アンス)陸軍参謀総長など現役軍人10人に対する出国禁止を法務部に申請した。だが、まさに戒厳司令官を務めた朴参謀総長の職務停止は行われなかった。こうした中でこれらの司令官らが6日、進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の議員が動画共有サービス「ユーチューブ」に開設している個人チャンネルのライブ配信に出演して「わたしは知らなかった」「長官の指示に従った」と言い、自らの責任は大きくないという釈明を行った。韓国軍関係者は「非常戒厳の余波で軍組織全体が崩れつつあるように見え、惨憺たる思い」と語った。 【写真】共に民主・金炳周議員のライブ配信に出演した郭種根・陸軍特殊戦司令官
郭種根特戦司令官は6日午前、特戦司令部を訪れた共に民主党の金炳周(キム・ビョンジュ)議員、朴善源(パク・ソンウォン)議員と面会した。郭司令官は「斬首部隊」と呼ばれる707特任団を国会に入れた人物だ。郭司令官は、金議員のユーチューブのチャンネル「ジュブリ―ライブ」で生中継された対話で「金長官が本会議場から議員らを引っ張り出せと指示したが、違憲なので従わなかった」「(再び戒厳令があったときは)指示が下されても拒否したい」と語った。 郭司令官は、金議員から「今月3日、戒厳軍が国会議事堂に入った際、上層部からどのような指示を受けたか」と尋ねられ、このように答えた。郭司令官は「わたしが判断したとき、議員を引っ張り出すのは明白に違憲の事項なので、抗命になるだろうとは思ったがその任務は守らなかった」と語った。郭司令官は、当時の金国防相が直接電話をして国会議事堂の施設確保および統制、中央選挙管理委員会の施設確保後の外郭警戒、「金於俊〈キム・オジュン〉のニュース広場」が運営している「世論調査 花」の施設確保および警戒を指示した-と明かした。さらに郭司令官は、非常戒厳中に尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が1回、直接電話をかけてきて、707特任団の兵力の位置を尋ねたと伝えた。司令官はこの日の配信で、涙ぐむ様子も見せた。