阪田マリン「昭和99年」を生きるZ世代のファッション
バブルスーツはどこに売っている?
ーその後、学校以外でも昭和テイストのファッションを楽しむようになっていったんですよね。 はい。高校生の頃はアルバイト代を昭和のアイテムにつぎこんでいました。私が好きなのは昭和のなかでも特に80年代のバブル期のファッションです。特に肩パッドが大きな「バブルスーツ」にミニスカートとハイヒール。 モノトーンではなくパキッとした色がどこかに入っていて、それがフィルムカメラの醸し出す雰囲気に合ってすごくきれいに映るんですよ。憧れだったのは山口百恵さん、中森明菜さん、森高千里さん……。 ー昭和は64年続いた、とても長い時代ですね。そのなかでもバブル期が特にお好きということですか。 そうですね。でも、古い雑誌を見てどんな服を着ていたか調べたり、家族に当時のことを教えてもらったりして情報を集めても、いまバブルスーツを売っているお店なんてないんですよね(笑)。家族が持っている服をもらって着たりしていましたが、やっぱり自分で買いたくて。 やっと見つけたのは、専門的な古着屋ではなく、リサイクルショップです。はじめて買ったバブルスーツはトレジャーファクトリーの「ワンコインコーナー」と書かれたワゴンのなかにまぎれていました。発見したときは感動しましたね。ここにあったんだ、って。 それからはリサイクルショップのワゴンが私の宝箱みたいな存在になりました。学校が終わって友達と別れると、すぐにリサイクルショップに行って服を探して。どの服も1,000円以下だったと思います。
ーなかでも探すのが難しかったアイテムは。 靴です! 自分のサイズがなかなか見つからなくて。赤いハイヒールが欲しかったんですが、手に入れるまでに数年かかりました。 最近はメルカリなどのフリマアプリもよく使います。出品されている服を眺めているだけで、3時間くらい過ぎてしまうんですよね。フリマアプリで服を探すのにもコツがあって、検索するワードが大事なんです。ブランド名で探すことはほとんど無理(笑)。「イヴ・サンローラン」くらいじゃないかな。 主には「昭和 スーツ」「バブルスーツ」「ボディコン スーツ」で検索するとか。「当時もの」というワードも良い服がヒットします。こんな感じで、探し方も開拓していきました。