今夏、欧州名門サッカーチームがこぞって来日するぞ!
この夏、来日する海外の強豪クラブたち
さて、この夏には7月後半から8月にかけてもイングランドのトッテナムやブライトン、ニューキャッスル、ドイツのシュトゥットガルトやドルトムント、フランスのスタッド・ランスといった各国の強豪クラブが来日する。 シーズン終了直後だったR・ソシエダードとは逆に、7月後半は新シーズン開幕に向けてコンディションを調整し、新戦力や新戦術のテストを行う時期。現場を預かる監督たちは内心「酷暑の日本ではなく涼しいキャンプ地でゆっくり調整したい」と思っているだろうが、日本ツアーは商業的に大きな利益を生むので、クラブにとっては必要なのだ。 シーズンオフを利用しての海外遠征というのは、欧州では20世紀の初めから行われており、日本にも半世紀前から多くのクラブがやって来た。 欧州のプロクラブが初めて日本にやって来たのは、1967年のスターリング・アルビオン(スコットランド)だった。日本はまだアマチュアリズム全盛の時代。そこで、日本代表は日本体育協会(現日本スポーツ協会)からわざわざ特別許可をもらってプロと対戦した。 その後、1960年代後半から70年代前半にかけて、ブラジルのパルメイラスやイングランドのアーセナルやトッテナム、西ドイツ(当時)のボルシア・メンヘングラートバッハ、バイエルン・ミュンヘンなど各国の強豪が毎年のように来日した。当時の日本サッカー界にとってはプロチームの来日が年間最大のイベントで、日本代表がわざわざ合宿を組んで対戦したのだが、観光気分の強豪相手に日本代表はほとんど勝つことができなかった。 当時、貧乏所帯だったサッカー協会は大観衆が集まるプロとの対戦によって入場料販売やテレビ放映権といった貴重な収入を得て、欧州のクラブはギャラを受け取った。しかし、最近来日するクラブのお目当てはギャラではなく、より永続的な利益だ。 日本(あるいは東アジア)で人気が高まれば、ネット配信の視聴者数を増やしたり、グッズの売上を上げたりできるし、日本企業をスポンサーに付けることができるかもしれない(R・ソシエダードのメインスポンサーは「株式会社ヤスダグループ」だ)。 米国のメジャーリーグ・ベースボール(MLB)は、今年は韓国ソウルでドジャースとパドレスの開幕戦を開催したが、来年の開幕戦は東京で開催すると言われている。経済力のある東アジアのマーケットは、欧州サッカーだけでなくMLBにとっても関心が高いのだ。いずれ、欧州サッカーの公式戦が見られる日も来るかもしれない。