ロシアの生命線は「中国との連携」:「ウクライナ後」に想定すべき新経済圏「中ロ・ユーラシア同盟」
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ウクライナ情勢 はロシアの手詰まり感と国際的な包囲網が強まるなか、ロシアにとっての戦争終結の道筋とプーチン政権がどこに向かうのかが次の焦点になりつつある。大胆な予測をすれば、ロシアがウクライナ含む欧州正面から東に進路を変え、中国と連携を深める「ユーラシア同盟」が姿を現すだろう。 世界経済から排除された ロシアの天然ガス、石油 、 穀物 は中国の需要を満たし、中国が電子・電機、自動車、日用品など工業製品からEコマース、デジタル通貨などの技術をロシアに供給する相互補完である。両国が米国に反発する途上国を糾合すれば、「強権体制・統制経済」の新しいブロックとなり、「民主主義・市場経済」を掲げる米欧日豪などの陣営と対峙する「21世紀型新冷戦」に向かう恐れがある。地球温暖化や感染症、経済格差、自由な貿易・投資など人類共通課題への取り組みは大きく後退しかねない。 キエフやマリウポリなど凄惨な戦場と化したウクライナにフォーカスしていた視野を広角に変え、欧州からアジアに広がるユーラシア大陸全体を俯瞰してみれば、ロシアのウクライナ侵攻の背景や今後の展開が鮮やかに浮かび上がって来る。
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後藤康浩