蘇える「ロナルド・レーガン」|週末に読みたい海外メディア記事5本|2024.11.9-11.16
MAGA運動はレーガニズムの後継か、あるいはレーガニズムの遅すぎた否定か(C)melissamn/shutterstock.com
アメリカ次期政権 の人事が急ピッチで行われています。「パレスチナ人など存在しない」と公言してきたマイク・ハッカビー元アーカンソー州知事が駐イスラエル大使に指名され、ワクチン懐疑論者のロバート・ケネディ・ジュニアの厚生長官起用で製薬会社の株価が急落するなど、来年1月20日の就任式を待つまでもなく、第2次トランプ政権から世界の政治経済に大きな波紋が広がっています。前回に続いてトランプ2.0をめぐる論考を中心にピックアップしました。 大統領選の帰趨を最後に左右したのは経済問題、とりわけ「あなたの暮らしは4年前に比べて良くなりましたか?」というトランプ陣営からのメッセージが決め手になったとの指摘があります。このフレーズはもともと1980年の勝者、ロナルド・レーガンが使った言葉。トランプ陣営の狙いとしては、中間層の暮らし向きに対するインフレの影響を焦点化するのみならず、ベビーブーマー世代の郷愁に訴えかける意図もあったはずです。 詳しくは以下の本文に譲りますが、過去数十年間における最高の大統領を尋ねた米世論調査では、「トランプ」という回答と「レーガン」という回答が拮抗とのこと。こうした空気を反映してか、9月に発売されたレーガンの最新評伝がべストセラーに名を連ね、改めてのレーガン論も目立ちます。ただし、トランプを保守のレガシーとしてのレーガンに擬することには保守内部からの異論も多く、こうした議論もまた、第2次トランプ政権の輪郭を鮮明化するのに役立ちそうです。
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