YOUは何しに横須賀へ? 「戦略的コミュニケーション」で読む欧州海軍の日本寄港
2024年8月、横須賀へ入港したイタリア海軍の空母「カブール」で防衛大学校の学生たちが乗艦研修を行った[防衛大学校公式Xより]
今年の夏、横須賀港にドイツ・イタリア・フランス・シンガポール・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの計7カ国9隻の海軍艦艇が相次いで寄港し、同港を巡る軍港クルーズは熱心な艦船ファンによって連日満員御礼だったという。特にイタリア海軍の空母「カブール」が飛行甲板にF-35などの最新鋭艦載機を満載したまま横須賀に寄港した姿は、在日米海軍横須賀基地に入港する米空母でも見られないものであった。また、視線を西に転ずれば、長崎港に来年の日蘭関係425周年の節目に合わせてオランダ海軍フリゲート艦「トロンプ」が入港している。オランダ海軍の来日は2021年に英国海軍空母打撃群の随伴艦として寄港して以来であり 1 、単独寄港は戦後初となる。 公開情報を基に調べた結果、昨年度から今年度の夏にかけて延べ23カ国27隻、平均して月に1隻以上の外国艦艇が日本(大半が横須賀)に寄港していた。(詳細は下表参照) 彼らの目的は「海上自衛隊との親善訓練」や日本との外交関係の節目に伴う「親善訪問」などさまざまであるが、補給と休養(いわゆるR2=Replenishment & Refresh)も大きな目的の一つである。スマートフォンの電波も無い孤独な洋上生活に(最近ではスターリンクが導入される船も増えたとはいえ)、陸(おか)での休養と補給に勝る回復手段は無い。
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藤井佑