（写真：読売新聞）

　【ワシントン＝淵上隆悠、ソウル＝依田和彩】米国のブリンケン国務長官は１０月３１日、ロシアに派遣された北朝鮮兵約１万人のうち、８０００人が露西部クルスク地方に配置されたとの見方を示した。今後数日以内にウクライナ軍との戦闘に投入される可能性に言及し、戦闘行為や露軍への支援活動が確認された場合、「正当な軍事目標になる」と警告した。 【写真】北朝鮮兵がロシアで装備品を受け取っているとされる映像

　ブリンケン氏は、米ワシントンで開かれた米韓の外務・防衛閣僚会合（２プラス２）後の記者会見で「北朝鮮兵はまだウクライナ軍と交戦していないが、数日中にそうなるとみている」と述べた。ロシアが北朝鮮兵に大砲や無人機の操作などの訓練を行ったとの分析を明らかにし、「最前線に投入する意図があることを示している」と説明した。米韓２プラス２では「あらゆる対抗措置の選択肢」を協議したという。

　北朝鮮は派兵の見返りとして、軍事先端技術の支援をロシアに要求する可能性が指摘されている。ブリンケン氏は「地域のさらなる不安定化は中国にとっても懸念事項だ」と述べ、中国が影響力を行使して北朝鮮の行動を抑制すべきだと訴えた。韓国の趙兌烈（チョテヨル）外相も「中国は現状に不快感を抱いているはずだ」と同調し、中国に直接対応を求めていく考えを示した。