普通の人にできる超シンプルな「99点の投資法」とは?
最も単純なものが最もよいというのは、美しい結果です。「KISSの原則」をご存じでしょうか?これは「Keep It Simple,Stupid.」(シンプルにしておけ!)という略語で、戦略や設計の単純さこそが成功への鍵であり、不必要な複雑さは避けるべきだという原則です。 多くの人が市場平均を上回ろうと複雑な方法論を語りますが、それらの人々よりも賢い人たちが最適な分散投資を理論的に追求してきました。その結果、「最も投資効率が高いのは、最もシンプルな時価総額加重平均である」という結論に至りました。過去の偉人たちの知見を活かし、「巨人の肩の上に立ちましょう」。 ● 株価は「ランダムウォーク」しながら 長期的には右肩上がり 株の買い時・売り時はありません。マーケットタイミングは存在しないと考えましょう。株価は適正価格で取引されており、「今の株価は高値圏/安値圏」「そろそろ暴落しそう」などといった分析は無意味です。 株式市場には、あらゆる情報が織り込まれています。市場は常に効率的に機能しており、「普通の人」が個別に株価を分析する必要はありません。「普通の人」が株価を気にする必要はないのです。 あえて言うなら、365日、24時間、いつだって買い時です。株価はランダムウォーク(*3)しながらも、長期的には右肩上がりなのです。 *3 株価の値動きは、一般的には幾何ブラウン運動と呼ばれるランダムウォークの一種としてモデル化されます。
「ランダムウォーク」という言葉を聞いたことはありますか。難しいことを理解する必要はありませんが、資産運用にとって重要なのは、株価の将来の値動きは、直近の過去の値動きに影響されないということです。 よく見かける「株価の下落時は買い増しチャンス」「積立初期は株価が下落したほうが嬉しい」といった考えは、「株価が下がると、その分だけ将来上がりやすくなるはず」という期待に基づいているのでしょう。しかし、過去の動きから将来を予測することはできません。 例えば、ルーレットの赤が3回連続で出たからといって、次に黒が出る確率が高まるわけではありません。同様に、過去の株価の動きが将来の動きに影響することはありません。 人間は、ランダムな動きにも法則性を見いだそうとする傾向がありますが、株価の動きには確実な法則は存在しません。専門家でさえも、過去の結果から将来を予測することは容易ではなく、「これはわれわれの手に負える問題ではない。ランダムウォークと見なさざるを得ない」という結論に至りました。 ● 資産運用における 「リスク」の意味合いとは 市場平均は最も投資効率がよい、つまりリターンとリスクのバランスが最も優れています。投資効率とはリターンをリスクで割った値です。 リターンが大きいほどよいのは直感的に理解できますが、それではリスクが小さいことはなぜ重要なのでしょうか?