普通の人にできる超シンプルな「99点の投資法」とは?
その際、決して「市場平均よりよい成績をとってやろう」としないでください。その瞬間、悲しいことに魔法がとけて、あなたは99点がとれなくなってしまいます。 ● インデックスファンドの中でも 市場平均が最強なのはどうして? 最も優れたインデックスファンドは、S&P500や全世界株式のように時価総額加重平均(市場平均)に基づくものです。 まず銘柄を分散することは投資効率(シャープレシオ)(*1)を向上させます。これが個別株ではなくインデックスファンドを選ぶ理由です。では、どのように銘柄を分散すれば最も投資効率がよくなるでしょうか? *1 投資効率(シャープレシオ)とは、異なる投資対象を比較する際に、同じリスク水準においてどちらのリターンが優れているかを評価する指標。リターン÷リスクで求められる。筆者は、個々の投資商品に対してのみでなく、個人の資産の全体に対しても投資効率を用いて評価します。 分散の方法として、各銘柄を均等に購入する「均等割」がありますが、これは最適な分散ではありません。最も投資効率がよくなるのは、時価総額加重平均(*2)に基づく分散です。 *2 時価総額加重平均とは、構成銘柄の株価の単純な平均ではなく、時価総額(現在の株価×発行株式数で表す、その企業の現時点での規模や価値の指標)に応じて重みを変化させた平均のこと。市場の実態をより正確に表現できるといわれていて、多くのインデックスファンドで採用されています。 この理由についての詳細は、興味がある方は「現代ポートフォリオ理論」や「CAPM(資本資産価格モデル)」を調べてみてください。 「市場平均」という言葉は「ただの平均点」と思われがちですが、実際には、最高のリターンを求めて試行錯誤した結果、導き出された最適な分散方法です。つまり、市場平均は平均点ではなく、最高点なのです。 ● シンプルが成功の鍵! 「KISSの原則」とは 最適な分散が単純な時価総額加重平均であることは驚くべきことかもしれません。投資を趣味にしている人には受け入れがたいかもしれませんが、「普通の人」にとってはありがたいことです。この事実を素直に享受しましょう。