俳優・三浦浩一、同業の息子のデビュー時には“一切手助けしない”宣言。両親の名前を伏せても全国区に「あいつは自分の力で頑張っている」
カンヌ国際映画祭と亡き妻の夢
私生活では、東京キッドブラザースのトップスターだった純アリスさんと1980年に結婚。純アリスさんは、2019年7月12日に亡くなられた。3人の息子さんたちに恵まれ、次男は元俳優の三浦孝太さん、三男は俳優の三浦涼介さん。かつては親子共演されたことも。 ――以前は親子共演の舞台もありましたが、今後予定は? 「まったくわからないですけど、僕はやりたいですね。最初の共演は東京キッドの再演の舞台で、次がNHKのドラマだったんですよ。そのときに、僕はOKなんだけど、あいつが嫌がるんじゃないかなと思ったの。そうしたら意外と大丈夫だったんですけど、今後も機会があればやってみたいですね。 次男は、今は役者を辞めています。大河に出たりすると、どこかで僕は…って思ったかもしれないですけど、そうそう甘いものじゃないですからね。とくにコロナで全部中止になったり、決まっていたこともなくなって、役者以外もそうですけど、エンタメ業界はコロナでかなり苦労しましたよね」 ――涼介さんは、『仮面ライダーオーズ/OOO』(テレビ朝日系)のアンク役で知られていますが、三浦さんの息子さんだということは昨年知りました。妖艶な雰囲気が印象的ですね。 「涼介は、若いときはまず女の子に間違われていて、そういう役が多かったんですけど、だんだん男っぽくなってきて、仮面ライダーのアンク役で全国的になって。 もともとは歌手になりたくて、小学校5、6年の頃から安室奈美恵さんとか、スピードの歌ばかり家で歌っていたんですよ。それで、ライジングプロダクションのオーディションを受けに行って、グランプリは獲れなかったんですけど、歌やダンス、ドラムのレッスンとかをタダで受けさせてもらうことになって。 そうこうしているうちに、彼は、最初は『おぎゃあ。』(光石冨士朗監督)という映画に出ることになって。主人公が子どもを宿して、そのお腹(なか)のなかにいる子ども・キジュマルの役をやったんです。 息子たちが仕事を始めるときに『僕は一切手助けはしないよ』って言っていたんですよ。要するに、三浦浩一と純アリスの息子だということで出たって彼らのためにならないと思うしね。 『おぎゃあ。』の公開前に、スポーツ新聞が『三浦浩一の息子ということで記事を書きたい』って言ってきたから、それは僕はやらないって言ったんです。どこの誰かわからないっていう感じで出たほうがいいからって。 そのときに妻は、『なんで自分の息子が出るのに協力しないの?』って怒ったんだけど、それが僕のやり方だし、それが僕の愛情のかけ方なんです。だから、どっちがいいとか悪いとかじゃなくて、その名前を出して応援する人もいたけど、僕はどこの誰かわからないで出たほうがいいと思って」 ――涼介さんが『誰々の息子って言われるほど不愉快なものはない』とおっしゃっている記事を読みました。 「そうなんです。あいつは自分の力で頑張っているんですよ。今本当に頑張っている。彼も演出家に恵まれていてね。ミュージカルでも小池修一郎さんの演出作品でいい役をいっぱいやらせていただいているんですよ。 蜷川幸雄さんにも気に入られて、蜷川さんのことを『じっちゃん、じっちゃん』って言っていたの。だから『お前、蜷川さんのことを“じっちゃん”って言うやつなんていねえぞ』って言ったんですけど、蜷川さんは本当に可愛がってくれていましたね。 10月11日(金)から14日(月・祝)は、橋爪功さんと舞台でご一緒させていただくことになっていて。橋爪さんは僕の尊敬する俳優さんですし、涼介もいろいろ学ばせていただけたらいいなって思っています」