円高ドル安が進行 為替専門家が明かす海外旅行に良い時期は?【WBS】
まもなく年末、海外旅行シーズンが近づく中、14日に円相場は一時1ドル=140円台後半と、1日で4円以上円高が進み、およそ4カ月半ぶりの水準となりました。背景にあったのは金融政策です。14日は日本を除く世界の主要な中央銀行が金融政策を発表する日です。急激な円高・ドル安をもたらした原因となったのはアメリカの事実上の利上げ終了宣言でした。 円相場が大きく動いた14日。現行の為替取引を扱う部署は大忙しでした。急激に円高ドル安が進んだ背景は、物価の上昇を抑えるために利上げを続けてきたアメリカの中央銀行FRB(連邦準備制度理事会)が利上げの事実上の終了を示唆したのです。 1ドル145円台だった円相場は、FRBパウエル議長の記者会見で、日米の金利差が今後縮小するとの見方から、一気に円高へ。一時140円台後半まで円高ドル安が進みました。
さらに、FRBは政策金利の見通しを更新。これまで、来年の利下げ回数を2回としていましたが、3回に増やしました。景気を冷やしかねない利上げが終わり、逆に利下げを見込んだ株式市場では、ダウ平均株価が史上最高値をつけました。 急速に進んだ円高。海外旅行を販売する旅行会社「飛鳥旅行」の村山吉三郎社長は「多少円高になってきているが、予約状況は変わらない。まだまだ『円高』っていうイメージが湧いてこない状況ではないか、今は」と話します。 海外旅行は飛行機の燃油高の影響もあり、コロナ明けも予約は低調なままだといいます。ただ、このまま円高が進めば、早ければ来月にも変化が出るのではと期待しています。 例えばグアム旅行では「1月になると、8万8500円が7万5000円。15万円台が14万円くらいに下がってくるのでは。これから円高に振れていって、日本の旅行客が海外にやっと行ける状況になるかもしれない。そういう雰囲気は見え隠れしている。ただ、まだ見え隠れ。こればかりはわからない」(村山社長)。 では今後の円相場の行方はどうなるのでしょう。 「りそなHD」為替ストラテジストの石田武さんは海外旅行にいい時期について「日銀がおそらく来年1月にもマイナス金利を解除して、1-3月期にドル円が底を打つかなと思う。そのあたりのタイミングで1ドル130円台前半とかになっていれば、非常にいいタイミングなのでは」と話します。