介護施設に入所する母の預金が「500万円」あります。「自動継続の定期預金」に切り替えれば更新されるので「休眠預金」になるのを防げるでしょうか?
父母が介護施設に入所すると生活環境が変わるため、以前と比べて自由に出歩く時間が限られるかもしれません。 それに伴い、本人名義の口座は各種支払いや引き出しなどの回数が以前と比較して大幅に減ってしまうでしょう。取引しない期間が長いと、いつの間にか休眠預金になってしまうかもしれません。これを回避すべく、自動継続型の定期預金を活用する方法は、有効なのでしょうか。 この記事では、休眠預金になる条件や、防止する方法について解説します。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
休眠預金とは
休眠預金とは、預金口座のうち、取引した履歴が10年以上ないもののことです。複数の銀行口座を保有している場合、頻繁に使用するメイン口座と、たまに使用するサブ口座に分けているケースもあるでしょう。 サブ口座の数が多いと、少しだけ使用したまま放置しているものもあるかもしれません。ほとんど使用しない預金口座であっても、数年に1回は入出金や振り込みなどを行っている場合は問題ありません。しかし、そうでなければ休眠預金とみなされてしまいます。 2018年1月施行の「休眠預金等活用法」により、取引した形跡が一定期間以上ない預金のうち、10年以上のものについて、「休眠預金」と定義されました。 もしも休眠預金となっても、心配する必要はありません。その場合には、銀行などで所定の手続きを行えば、口座にあるお金を引き出すことが可能です。預けていた期間の利息も受け取れます。
定期預金の自動継続で休眠預金となるのを防げるか
定期預金のうち、満期を迎えたときに同じ条件で定期預金が継続されるのが「自動継続型」です。「更新が行われるのであれば、大丈夫だろう」と考える人もいるでしょう。しかし、定期預金の自動継続は取引とは認められず、そのまま何もせずにいると、休眠預金になってしまいます。 自動継続の定期預金をしている口座が休眠預金となるのは、最初の満期日から数えて10年です。今日から定期預金を始めたと仮定すると、満期日が1年後の場合、そのまま放置していれば11年経過すると休眠預金になります。満期日が3年後であれば、13年後です。 なお、入出金などが最後に行われてから9年以上が経過すると、金融機関から預金者に対して通知が送付されます。したがって、基本的には、何のアナウンスもなく一方的に休眠預金にされてしまうわけではありません。 銀行など金融機関から送られてきた通知をきちんと受け取れば、さらに10年間は休眠預金として扱われることはなく、通常どおり使用可能です。引っ越しなどにより住所が変わったにもかかわらず、その手続きをしていなかったために通知を受け取れなかった場合は、休眠預金とされてしまいます。 ただし、注意しなければならないことがあります。通知が送付されるのには条件があり、該当する口座に1万円以上の残高がなければいけません。1万円未満であれば送付されず、理由がわからないまま、「ATMで長らく使用していない口座からお金を引き出そうとしたら、できなかった」という事態に陥る可能性があります。