じつは「AIビジネスはまったく儲からない」…ChatGPTがGAFAMのような超巨大企業には成長できない「2つの理由」
「エヌビディア急成長」にはウラがある
なのにエヌビディアが業績を伸ばしているのには、実は裏があります。 ウォールストリート・ジャーナル紙が5月17日に報じたのですが、CoreWeaveという会社が75億ドルの資金を調達しています。同社は保有しているエヌビディア製半導体を担保にしたのですが、そもそもCoreWeave社自体が、エヌビディアが出資している会社なのです。 CoreWeave社は、AIクラウドコンピューティングをビジネスにしているベンチャー企業です。アメリカ・ニュージャージー州を拠点に、エヌビディアのGPU(画像処理装置)を使ってデータセンターの運営を行っています。 それだけ聞くとまともな企業のようですが、経営者の経歴を見るときな臭い雰囲気が漂うのです。CEOのマイケル・イントレイター氏は、以前天然ガス投資をやっているヘッジファンドを立ち上げています。 CSO(チーフストラテジーオフィサー)のブラニン・マクビー氏も同じくエネルギー関連のヘッジファンドで働いたあと、両氏は小さなイーサリアムのマイニング企業を立ち上げ、のちにこれをCoreWeaveに改名しています。両氏ともに、AIとは縁もゆかりもありません。 先述の通り、CoreWeave社にはエヌビディアも出資しています。要するに、エヌビディアが出資したお金でエヌビディア製半導体を買い、それを担保にさらにお金を借りてエヌビディア製半導体を買っている。これはラウンド・トリッピング、つまり循環取引と呼ばれる手法です。違法ではないですが、このような需要はつくられた需要であり、オーガニックではありません。 エヌビディアの業績はたしかに驚異的ですが、その中身とはこんなものなのです。 これらを総合すると、いま生成AIやAI株について言われていることは、ほぼハイプ、つまり「誇大広告」だと断じていいように思います。 もちろんAIがまったくダメという話ではありません。将来、AIが本当に社会を一変する時代が来る可能性はある。ただそうなるまでには、最低でもあと10年か15年くらいはかかるのではないでしょうか。
永濱 利廣、エミン・ユルマズ
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