2025年 世界予想|トランプ政権でアメリカと中国との関係はさらに悪化? それはどうして?【親子で語る国際問題】
中国はアメリカ以外の国との貿易関係に注力
新型コロナの感染拡大も影響し、今日の中国経済に以前のような勢いはなく、経済成長率の陰りや不動産バブルの崩壊、若年層の高い失業率など、経済的な課題が蓄積。中国政府は、この状況でトランプ次期政権による関税制裁に直面することに警戒しています。 トランプ次期政権のもとで米中経済を安定させることは難しいことから、今日の中国政府が考えることは、日本や欧州、グローバルサウス諸国との経済、貿易関係を最大限安定的なものにすることです。 トランプ次期政権の関税発動や保護主義的な政策は、中国だけでなく日本や欧州にとっても懸念事項であり、中国はトランプ次期政権の姿勢こそが自由貿易に対する脅威と内外に示すことで、自らに都合のよい国際環境づくりに徹することでしょう。
この記事のポイント
①トランプ次期大統領は対中強硬派を外交・安全保障面で起用し、米中の貿易摩擦は激しくなる見込み ②中国は、トランプ氏の保護主義的な姿勢は世界経済にとって脅威だと訴えている ③米中関係の好転が見込めない中国は、アメリカ以外の国との貿易でよい関係づくりに励むだろう 【記事執筆/国際政治先生】 国際政治学者として米中対立やグローバスサウスの研究に取り組む。大学で教鞭に立つ一方、民間シンクタンクの外部有識者、学術雑誌の査読委員、中央省庁向けの助言や講演などを行う。
文・構成/HugKum編集部