同僚が「月5万円」もNISAに投じていることを知り、焦っています。生活費を切り詰めて、投資に回したほうがよいのでしょうか?
「新NISA」とは
「NISA(小額投資非課税制度)」は、株式や投資信託などの運用益が非課税となる口座のことで、従来の「一般NISA」や「つみたてNISA」に代わり、2024年度から「新NISA」が始まりました。「新NISA」は、18歳以上であれば誰でも利用することができ、口座開設期間も恒久化されました。 図表2
1. 運用益(売却益・配当/分配金)が非課税 通常、株式や投資信託などの金融商品を特定口座で管理した場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当・分配金は課税されますが、NISA口座で管理されている場合は非課税となります。 図表3
2. 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」 NISAでは、株式や投資信託などの金融商品を購入することができます。 「新NISA」では、口座内が「つみたて投資枠」と「成長投資枠」に区分されており、「つみたて投資枠」では、金融庁が「中長期投資に向いている商品である」として定めた基準を満たした投資信託を、積立方式で購入できます。一方「成長投資枠」では、投資信託のほか株式などを好きなときに好きなだけ購入することができます。 3. 非課税保有限度額 NISA口座では、年間投資枠と非課税保有限度額が「つみたて投資枠」と「成長投資枠」ごとに定められています。 「つみたて投資枠」では、年間120万円の投資枠で、総額1800万円まで非課税で保有することができます。 一方「成長投資枠」では、年間240万円まで投資することができますが、総額では1200万円が、非課税で保有することのできる限度額となります。「成長投資枠」で総額1200万円を投資した場合は、「つみたて投資枠」の非課税限度額は、残りの600万円となります。
投資を始めるなら
「新NISA」を利用して投資を始めるならば、以下の方法で始めるとよいでしょう。ただし、投資はあくまでも自分自身の判断で、自分の責任で行うことを銘記してください。 1. 金融機関を選んで申し込む NISA口座は、銀行や証券会社など多くの金融機関で、1人1口座開設することができます。ただし、金融機関によって購入できる商品が限られる場合がありますので、より多くの商品を購入することができる金融機関を選びましょう。 NPO法人確定拠出年金教育協会では、金融機関の口座を比較できる「新NISAナビ」(※3)を運営していますので参照するとよいでしょう。 2. 「新NISA」の「つみたて投資枠」から始める これから投資を始める方が、非課税口座である「新NISA」を使わない手はありません。また、投資の基本は分散・積立・中長期運用ですので、「つみたて投資枠」を利用して、金融庁が定める基準に適合した投資信託を毎月積み立てることをお勧めします。 3. いくらから始めるの? 投資に回すのは、あくまでも余裕資金にとどめましょう。今まで銀行に積み立ててきた資金の一部を投資に回す方法や、お小遣いの一部を削って投資する方法がよいでしょう。必要不可欠な生活費を削ってまで投資することは、お勧めできません。 4. どの銘柄を選ぶの? 投資信託は複数の株式や債券などを組み合わせた商品で、銘柄ごとにその構成は異なります。 したがって、投資信託を選ぶ場合には、その構成内容と割合を目論見書で確認しましょう。投資初心者の方は、国内外の株式や債券を組み合わせた、複合資産型の投資信託を選ぶとよいでしょう。前述した「新NISAナビ」では、銘柄を比較検討することができるようになっていますので、利用するとよいでしょう。
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