坂本花織が史上9人目の4連覇 16歳の新星・島田麻央を退け守った女王の座/フィギュア
フィギュアスケート・全日本選手権最終日(22日、東和薬品ラクタブドーム)女子はショートプログラム(SP)1位の坂本花織(24)=シスメックス=がフリーも1位となり、合計228・68点で4年連続5度目の優勝。史上9人目の4連覇で、世界選手権(来年3月、米ボストン)の代表に決まった。ジュニアで16歳の島田麻央(木下グループ)が合計219・00点で自己最高の2位。年齢制限により世界選手権代表選考は対象外のため、3位の樋口新葉(23)=ノエビア=と4位の千葉百音(19)=木下アカデミー=が代表に選ばれた。 【写真5枚】坂本花織、アイスショーでノリノリ演技 16歳に女王の座は渡さない。最終23番目に登場した坂本が、ミスはありながらもミュージカル「シカゴ」の主人公を好演。自身が全日本選手権初優勝を決めた大阪で、4連覇を達成した。 「得点源でもある3回転、3回転(の連続ジャンプ)ができず悔しいが、連覇できてホッとしている。いろんな感情がある」 連覇への重圧が重くのしかかった。坂本の直前に演じた島田の得点が出るまで心臓は高鳴ったというが、「4連覇できるのはあなただけ」という中野園子コーチの言葉を聞き、「確かに」と落ち着きを取り戻した。 前半で3回転サルコーを含む3連続ジャンプを決め、3回転の連続ジャンプこそ後半が2回転となったが、SPに続いてフリーも1位。技術点の1位は島田に譲っても、表現力を示す演技点で圧倒した。 反省を生かした。12月上旬のグランプリ(GP)ファイナルは日本勢2番手の3位。前回大会で初優勝していたが「連覇を目標にせず臨んでしまった。悔しかった。強気で行くことの大事さに気が付いた」。今大会は開幕前から優勝を公言し、強い気持ちでリンクに臨んだ。 有言実行の4連覇だが、大きな壁が現れた。同時期に開催されていたロシア選手権で、17歳のアデリア・ペトロシャンが合計262・92点で2連覇。非公認ながら坂本の今季世界最高を約31点も上回る世界歴代2位の高得点だ。 2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪の予選に、条件付きでロシアから男女各1人ずつ出場できることが認められた。坂本は「いろんな選手と戦えるのは燃える」と歓迎した。
4連覇を目指す来年3月の世界選手権は、五輪の枠取りも懸かる重要な一戦。今大会で出た宿題を胸に、坂本はさらなる高みを目指す。(角かずみ)