うなぎ好き必見！関西風「地焼き」と福岡「せいろ蒸し」が楽しめる永田町「北白川」
関東では珍しい「地焼き」が味わえるうなぎ専門店「北白川」が4月15日、千代田区永田町にオープンした。 【写真】白焼き、う巻き…うなぎ好きなら一度は行きたい「北白川」メニュー 「北白川」を統括する大石斉寛さんは「私は福岡の出身で、『北白川』は福岡の特徴を捉えたうなぎを提供しています」と挨拶。オープンのきっかけは、うなぎが得意ではなかった運営会社の社長の孫が、福岡のうなぎを喜んで食べたことだったといい「日本の伝統食でもあるうなぎを、福岡の食べ方で東京に広げたいという思いがあります。また、海外にはうなぎのかば焼きという文化がなく、外国の方に喜んでいただけて、関東の皆様のお口にも合うように試行錯誤を重ねた一品です」と紹介した。 「北白川」のうなぎは、関西風の「地焼き」と呼ばれるスタイルで提供。関東では背開きしたうなぎに竹串を打ち、焼く前に蒸す工程が入るが、地焼きとは腹開きしたうなぎに金串を打ち、タレをつけてじっくり焼き上げていく。料理長の長久保稔さんは「関東では蒸す段階でうなぎのゼラチン質が落ちるのですが、関西ではうなぎをバタバタと折りたたみながら焼くことで、皮に傷がついてゼラチン質が落ちていきます。地焼きによって焼き切るので小骨も気になりません」と説明。地焼きにも名古屋・大阪・九州で違いがあるが、同店では九州の焼き方を採用している。
もうひとつのおすすめが、タレを絡めたご飯の上にうなぎのかば焼きと錦糸卵を乗せ、せいろで蒸して提供する福岡・柳川の郷土料理「せいろ蒸し」。大石さんは「福岡県民が “うなぎを食べに行こう” と言うと、せいろ蒸しのことを指します。せいろ蒸しは蒸し器（中子）が朱塗りの器に入っている構造で、いつまでも熱々のまま食べられます。一度地焼きしたかば焼きを蒸して提供するので、関東風と地焼きのおいしさを両方兼ね備え、福岡だけでなく関東の方にもぜひ味わっていただきたい」とアピールした。
実際に焼き場を見学させてもらうと、金串を打ったうなぎを白焼きして、途中で何度も折りたたみながら丁寧に焼き上げる。水をかけてうちわであおぎながら火を入れるので余分な脂が落ち、両面にタレを二度塗りすることで皮がパリッと香ばしく、旨みが凝縮したかば焼きに仕上げている。せいろ蒸しではさらにご飯と錦糸卵を一緒に蒸し上げ、熱々のかば焼きとタレの絡んだご飯が絶品だ。
周囲を自由民主党本部や国会議事堂、最高裁判所などに囲まれた立地で、昼は近隣のサラリーマンのランチ、夜は学会や研究会後の会食、土日祝日は若者や海外の観光客などの需要を見込む。店内の家具はイギリスのアンティークでそろえ、落ち着いた雰囲気の中でゆったりと食事することができる。都内で地焼きのうなぎとせいろ蒸しが食べられる「北白川」、うなぎ好きなら一度体験してみては？
