「身内でふざけているだけ」「内容がなかった」との声もあるが、実際に観に行くと…。酷評殺到、劇場版『聖☆おにいさん』私が映画館で驚いた訳
今作とは関わらず、映画が批判されるときにしばしば見かける決まり文句がある。「2000円を払った“のに”微妙だった」「2000円を出すほどの内容ではなかった」というように、値上がりした映画料金と内容が釣り合うかを見定める感想だ。この不満の裏には、少額で膨大な作品数を楽しめる映像配信サービスの存在がある。 このように劇場作品の高級化が進むにつれ、ユーザーが映画に求める体験の質が変わっていてもおかしくないだろう。
これまで福田作品が描いてきたような、テレビバラエティ的コメディ映画を受け止める世間の風向きは、少しずつ変わりつつあるのかもしれない。
白川 穂先 :エンタメコラムニスト/文筆家