長濱ねる「知らなかった、ではすまされない」”闇バイト”から考える、加害者が生まれる理由
被害者に責任を問う考え方は見直すべき
「犯罪やハラスメント、いじめが起こると、被害者側に自衛や防犯について責任を問う言葉が見受けられます。たとえば性被害に関しては、『男性の家に一人で行く女性が悪い』『誘惑するような服装をしているから悪い』『夜、コンビニでアイスを買わない方がいい。家が近いことが分かる』など。 これらはまるで、被害者に非があるように聞こえます。 ここで一番注目すべきは、被害者ではなく加害者なはずです。 なぜ、家に来た女性=襲ってもいいという思考になるのか。性犯罪をすることが許される服装があるのか。加害者になり得る考え方を根本から改めることを促す社会にしていかなければならないと思います。そして一番は、傷ついた被害者を守っていくことです。 いじめもそうですが、一番の問題はいじめをする側で、いじめられた子が転校をしたり、保健室登校になるなんておかしな話です。 防犯にスポットを当て知識を得ることも大切ですが、まずは守るべき被害者に対して責任を問うような考え方を見直してほしいと思います」
相手の立場を知る努力をすることで防げる犯罪もあるはず
「犯罪被害に遭われた方たちを思うと、悔しい気持ちと大きな怒りがこみ上げてきます。同じような被害者を出さない、事件を生まないためにはどうしたらいいのでしょうか。 『加害者には何を言ってもどうせ無駄』『自己責任』と諦め続けていたら、いつまで経っても犯罪はこの世の中から無くならないと思います。加害者の根本的な問題や、何かが欠けているがゆえに犯罪が生まれてしまうのであれば、知識を得たり相手の立場を知る努力をすることで防げる犯罪もあるはずです。 私自身、学生時代に盗撮をされたことが何度もあり、本当に嫌な思いをしました。しかし、その行為をしている側はほんの軽い気持ち。相手の気持ちや恐怖を与えていることを想像できていないんだと思います。 本来、このようなことが起こらないに越したことはありませんが、今起きている“闇バイト”のように、「そんなつもりはなかった」と加害者になってしまうことは世の中にあると思います。 私自身、なるべく人を傷つけたくないと思いながら生きています。でも、もし今の状況が一変したら? 家族も友人もいなく孤立し、お金もなくなり、仕事もうまくいかない……そんな絶望的な日々がずっと続いたら? 目に映るもの全てが敵に見えた時、今の自分のままでいられるのでしょうか。 だからこそ、誰しも自分(や家族)が加害者になり得るという思いで日々の言動を注意してみたり、知識をアップデートしたり、周りの方とコミュニケーションをとっていくことが必要なんだと思います。 小さなことでも意識をして行動する人が増えれば社会は変わっていくはず、と信じています」 続く後編は、今月のねるさんについて。日本テレビの報道番組『news zero』で火曜パートナーを務め、1ヵ月が経ったねるさんの出演裏話をお伝えします。 スタイリスト/山本杏那 ヘアメイク/林由香里 取材・テキスト/伊藤由美子 カーディガン103675円、ドレス135575円、チョーカー18700円/LYDIA TEL:03-3797-3200(YanYan) ピアス55000円・リング449000円/ブルーベル・ジャパン(ファッション事業本部) TEL:03-5413-1050(ALIITA) シューズ46200円/ON TOKYO SHOWROOM TEL:03-6427-1640(kotohayokozawa)
長濱 ねる