長濱ねる「知らなかった、ではすまされない」”闇バイト”から考える、加害者が生まれる理由
発信することで社会や未来へ“つなげる”
長濱ねるが日常生活で学んだこと、発見した気づき、周りの人と話したいことをトークテーマに発信する連載。 【写真】今月のねるさんのプライベートショットを連続写真で見る あらゆる多様な価値観や文化の違いを理解する、しなやかな思考を育むため、日常での気づきや仕事で学んだこと、感情の変化をシェアしていく。 長濱ねるから皆さんへ“つなげる”、そして社会や次世代に“つなげる”。そんな思いと希望を込めて。 「こんにちは、長濱ねるです。日本テレビの報道番組、news zero火曜パートナーとして早1ヵ月、6回目を終えたところです。生放送なので緊張感はありながらも、社会問題や事件について自分はどう思うのか、自らの言葉で意見を発言することが、毎回、大きな責任と学びになっています。 今回は、何週にもわたってニュースで報道されている“闇バイト”について考えてみました。気軽な気持ちで重罪に手を染めてしまうこの状況について、皆さんの意見もぜひお聞きしたいです」
加害者はなぜ生まれるのか
「最近、連日のようにニュースになっている“闇バイト”。Xやインスタ、ネットの掲示板などで『高額支給』『即日即金』『短期間で稼げる』という文言でアルバイトの募集がかけられ、そこに連絡をした人たちが犯罪行為に加担してしまうという事件が続いています。逮捕者の中には強盗殺人という許されない重罪を犯した人も。人の尊い命を奪ってまで盗んだのは、数万円程の現金……という事件もあり、そこ知れぬ絶望と怒りを覚えました。強盗殺人の法定刑は、無期懲役か死刑の二つしかありません。 罪なき人の命を奪い、自らの生涯をも破綻させてしまう“闇バイト”。一体なぜ、加害者は生まれてしまうのでしょうか。 ネット上に蔓延る闇バイトへの応募動機は、『お金に困っていた』『楽して稼ぎたかった』という理由が多く見受けられます。 『#ホワイト案件』『誰にでもすぐにできて稼げる仕事』『1日10万円』など、明らかに怪しい募集要項に過度な個人情報の要求。中学生が強盗予備容疑で逮捕されたという報道もあり、若者の犯罪率が高いことも特徴です。 犯行時に心神喪失だったという容疑者より、“知らずに”、“悪気なく”、“楽に稼げるから”と犯罪に手を染めてしまう人が目立っていました。 加害者は後に、指示役から自分や家族への仕返しがあるのではと怖くて引き返せなくなったと言っていますが、犯行前に踏みとどまる機会はなかったのでしょうか。なぜ犯罪への道を選んでしまったのでしょうか。自分や家族への報復は恐れるのに、見知らぬ他人への暴力や犯罪は許されるのでしょうか。ニュースを見ていると犯罪に加担した人は、倫理観が低く、相手の痛みにまで想像が及ばない人が多いように感じました。 たとえどんな理由があっても犯罪は犯罪。被害者には何の罪もありません。 ただ、誰かが新たな加害者となり被害者を生んでしまう前に、教育を含めその環境から抜け出す手助けができる社会にしていかなければならないと思います。救いの手は多ければ多いほどいいことですし、人生のどこかで社会から助けてもらえるチャンスがあれば犯罪自体が減っていくのではないでしょうか」