アルミダイカストのグンダイ、超高耐圧品の生産体制整備
アルミダイカスト製品を製造・販売するグンダイ(本社・群馬県伊勢崎市、社長・谷川年啓氏)は9月に、超高耐圧ダイカスト製品の生産体制を整えた。 これまでの約3・4倍となる6メガパスカルの圧力に耐えられる製品。製造に向けてデジタル技術を活用するなどして技術開発に取り組み、鋳造時のさまざまな条件設定を最適化。さらに生産設備を一部改造した。6メガパスカル級の耐圧性能を持つ製品を造れるダイカストメーカーは少なく、同社では製造体制を整えた差別化製品を武器に受注を拡大させたい考えだ。谷川社長は「事業の柱の一つに育てたい」と期待している。 アルミダイカストでは一般的な高耐圧品は2メガパスカル水準の圧力に対応。同社の開発品はその性能を大きく上回る。公的研究機関と連携するなどして約10年間技術開発を進めてきた製品。鋳造時の圧力や温度など製造条件の最適化に向け、鋳造用金型にセンサを搭載して溶湯の流れを解析するなどの取り組みを進めてきた。また製造面ではダイカストマシンの改造や局部加圧装置の取り付けなどにより、溶湯を金型に流し込む際に二次加圧する方式を新たに適用。鋳造時の気泡の巻き込みを抑えることなどで内部欠陥を低減し、耐圧性・気密性を大幅に高めた。これまでに6メガパスカルの圧力を実際にかけて、内部から空気漏れがないことを確認しているという。 耐圧性能の大幅向上と併せてダイカスト製法が持つ生産性・コスト性を訴求することで、他の製法からの代替を図るなどして新規市場開拓を図る考えだ。谷川社長は「今後提案活動に力を入れ、2025年度をめどに超高耐圧品の受注獲得を目指したい」と話す。