旧海軍兵学校時代から100年以上続く伝統 幹部自衛官への登竜門 海上自衛隊幹部候補生学校 遠泳訓練に密着 心身鍛えて団結力深める15キロ
泳ぎが苦手な学生はこの日に備えて4月からほぼ毎日、通常の訓練とは別にプールや海で泳ぐ練習を繰り返してきました。 海上自衛隊幹部候補生学校 岡本亮 総務課長 「ほぼ毎日、訓練している。さすがに毎日訓練すると泳げない学生も泳げるようになる」 ■昼食も海の中で 束の間の休息に笑顔も 訓練開始からおよそ5時間。目標のポイントに予定通り到着しました。学生たちはこれから昼食をとります。 海上自衛隊幹部候補生学校 岡本亮 総務課長 「きょうの食事メニューを教えてください」 分隊長 「きょうのメニューは焼きおにぎりとウインナーと魚肉ソーセージと練乳です」 岡本亮 総務課長 「了解!」 学生たちは船や竹竿につかまって海に入ったまま食事をします。そのため水中で手に取っても崩れにくい食べ物が配られます。つかの間の休息で笑顔が見られます。 伊東大毅 さん(防衛大出身) ― 海の中で食べる昼食はどう? 「海水の塩辛さが相まってうまい。暑さと本番特有の雰囲気でけっこう、きついけど、あと1周なのでがんばります」 泳ぎが苦手な佐藤さんも明るい表情です。 佐藤綾夏 さん(一般大学出身) 「だいじょうぶです。なんとかついていっている」 仲間たち 「佐藤、佐藤、佐藤」 ストレッチをする学生 「足はつっても日焼けは嫌」 ■猛烈な暑さに強い日差し… 過酷さ増す午後の訓練 昼休憩のあと、学生たちは再び泳ぎ始めました。気温は30℃を超えました。 海上自衛隊幹部候補生学校 岡本亮 総務課長 ― 船から投げ込まれているのは? 「角砂糖やあめなど。足などつらないように」 しかし、強い日差しや波によって学生たちの体力は次第に奪われていきます。 海上自衛隊幹部候補生学校 岡本亮 総務課長 「あ…、つりましたね」 足がつった学生には浮き具が投げ込まれます。ボートで引っ張ってもらい、少し休んで回復したら再び列に戻って泳ぎます。仲間が後ろから押して助け合います。 海上自衛隊幹部候補生学校 岡本亮 総務課長 ― 一生忘れられない? 「そうですね。幹部自衛官はこの遠泳を乗り越えなければなれないので…」 ― 今でも同期で集まると、この訓練の話をする? 「この話は思い出したくない…」
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