旧海軍兵学校時代から100年以上続く伝統 幹部自衛官への登竜門 海上自衛隊幹部候補生学校 遠泳訓練に密着 心身鍛えて団結力深める15キロ
■幹部自衛官への登竜門 100年以上続く伝統の遠泳訓練に密着 海上自衛隊幹部候補生 「いくぞ!1分隊!」「おーーーー」 「江田島の学び舎で~♪」 【画像を見る】15キロを9時間かけて泳ぐ 100年以上続く海上自衛隊の伝統訓練 スタートからゴールまでの様子 仲間と肩を組み大声で士気を高めるのは、海上自衛隊幹部候補生学校の学生たちです。この日、学生たちが挑んたのは遠泳訓練です。心身を鍛え、団結力を深めるため、旧海軍兵学校時代から100年以上続いています。2024年春に防衛大学校や一般の大学などから入校した学生にとっては、幹部自衛官への登竜門といえる訓練です。 伊東大毅 さん(防衛大出身) 「緊張よりワクワクの方が大きい。こんな長い距離を泳いだことがないので…。苦手な学生も全員で泳げるように鼓舞していきたい」 佐藤綾夏 さん(一般大学出身) 「意気込みは完泳することだけ」 ― 水泳は得意? 不得意? 「得意ではない。入校したときは1mも平泳ぎで泳げなかったので教官や仲間に助けられて海で泳げるようになった。きょうはその成果を発揮して完泳したい」 ■「入校時は1mも泳げなかった…」女性自衛官の挑戦 伊東さんと佐藤さんの訓練班は、およそ15キロを泳ぎます。 訓練班 「入水始め」「前へ進め」 学生たちは2人1組のバディを組み、4列隊形で泳いでいきます。 海上自衛隊幹部候補生学校 岡本亮 総務課長 「一番のポイントは各グループが列を乱さないように、同じ速度で泳ぐことがポイント。約8時間泳ぐので体力を温存しながら泳ぐ必要がある。スピードの出る泳ぎ方だと早々に体力が尽きてしまうので、一番体力を維持しながら泳げる泳法が平泳ぎ」 泳ぎが得意な伊東さんは「水色」の帽子を被って、訓練班の先頭で仲間たちを引っ張ります。一方で、佐藤さんのように泳ぎに不安がある学生は「黄色」の帽子を着用して隊形の中に配置されています。 海上自衛隊幹部候補生学校 岡本亮 総務課長 「怖さを感じるのはすぐ底が見えなくなること。瀬戸内で透明度も高くないので泳ぎ始めたら10mくらいで底が見えなくなる」
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