<あさイチ>家族社会学が専門の大学教授・吉原千賀さん 「きょうだいへのモヤモヤ」特集でアドバイス
仕事とプライベートの切り替えは通勤時に30~40分ほど歩くことだという。
「通勤時になるべく歩いています。その時間で仕事とプライベートのスイッチの切り替えをしていて。歩いていて、『ああ、ここのお花が咲いたな』とか、そういった自然や季節の移り変わりに目を向ける時間を、ささやかながら取りつつ移動するのが、私のリフレッシュ法というか、どちらも引きずらない切り替えの時間になってるなと。忙しいのになぜわざわざ歩くの?と聞かれたりしますが、スイッチの切り替えの時間が私には必要なんだと思っています」
最後に、30~40代の女性に向けてメッセージを求めると、「そんなこと言えるような立場ではないんですが……」と前置きしつつ、「ちょうど30代に入ったあたりで、そのときの上司だった先生方から折々にいろいろ言葉を掛けていただいたんですが、一つにまとめると『道草マインドを忘れずに。しなやかに』ということですね。『道草マインド』は、研究以外のいろんなことに関心を向け、自然や文化を楽しむ心の余裕というんですかね。それが人生を豊かにすると教えていただきました。『しなやかに』は細くつないでいく時期も柔軟に、と。私がそうやって先生方から掛けていただいた言葉が、もし30代の方々の心に何か届くような言葉であれば、うれしいなと思います」と語った。
<プロフィル>
よしはら・ちか 高千穂大学人間科学部教授、学術博士(奈良女子大学)。奈良女子大学大学院人間文化研究科単位取得満期退学。同大学生活環境学部生活文化学科助手、助教、高千穂大学人間科学部准教授を経て現職。専門は家族社会学、ライフコース論、特に大人のきょうだい関係について長年、調査研究を行う。家族構成は夫と2人の子どもの4人家族。