<あさイチ>家族社会学が専門の大学教授・吉原千賀さん 「きょうだいへのモヤモヤ」特集でアドバイス
番組でも紹介されたが、きょうだい仲が壊れやすい要注意なタイミングは「結婚・出産」「親の介護」「親の死去」の三つだという。
「年を取ると昔のことを思い出すことが多くなりますよね。良いことも思い出すけれど、忘れていたけれど、こんなことあったなというような悪いことも。それが親の介護だったり、相続の場面などで、『あの子は昔からこうだった』『親はいつもあの子にだけこうだった』という“不公平感”を思い出してしまう」
きょうだい仲を悪くしないため回避する方法や心の持ちようというのは「親の子どもへの関わり方がポイント」だとアドバイスする。
「親がどういうふうにこれまできょうだいを扱ってきたのかもそうですし、例えば大人になってから情報を特定のきょうだいだけに話して他の人は知らなかったとか、大体そういう不公平感がもめる原因になります。仲がうまくいってるきょうだいは、親が遺言書を書いたり、税理士さんに事前に相談をしたりして、生前に財産を整理して、後でもめないようにしている。こじれる前にそういうことをするのはやはり親の務めかなと思いますね」と専門家にきちんと相談するのも手だと語る。
また、きょうだい間も小学校の時の幼なじみのように「肩ひじ張らない」適度な距離感が望ましいという。
「きょうだいだから遠慮なく、という人もいると思うけれど、一度『友達だとしたらそれ言える?』と問いかけてほしい。友達に言えない無遠慮なことは、きょうだいでも言わないのが“鉄の掟”だと思ってください」と呼びかけた。
◇30代女性へのメッセージ「道草マインドを忘れずに。しなやかに」
現在、仕事や研究をしながら2人の子育てもしている吉原さん。「仕事と研究とプライベートのエネルギー配分をどうするのかが難しい」と今も悩んでいるという。そんなとき、支えになったのが上司だった教授の言葉だ。
「子供を産むまでは完璧主義で、人に頼るのが苦手だったんです。でも、やはり子供がいると、どうにもならなくなってしまって。そんなときに、最初につとめた母校(奈良女子大学)の上司の教授から、『及第点の6割の完成度でもアウトプットしてみせることが、次につながっていくんだ』と。『長い人生では細くつないでいく時期もあるんだよ』と声を掛けていただいたことがあって。その言葉をいつも自分に言い聞かせながら仕事をしています」