「カセットテープよ、永遠に」演歌店頭ライブ大盛況の錦糸町・セキネ楽器店
時代に流されず「地味にやっていきたいなぁ、っていうことですよ」
関根さん自身、音楽番組はほとんど見なくなってしまったという。 「何年か前、紅白に演歌歌手があまり出なくなってしまったでしょう。あれからどんどん演歌が売れなくなったんですよ。紅白というと演歌のイメージが一番強かったのに、北島さんとか、大御所が出なくなった」 世間は2020年東京五輪に向けて盛り上がろうとしている。関根さんは1964年五輪の盛況も、この地で見守った。 「関係ないですよね。ただみなさんが騒いでるだけで。心がけていることは、地味にやっていきたいなぁ、っていうことですよ。キャンペーンにはいろんな歌手がこられるけど、誰が売れるか売れないかもわからない。みんながみんなヒットしてくれれば、それに越したことはないけどね」 関根さんの口から威勢のいい言葉は出てこないが、けっして後ろ向きなわけでもない。むしろ、いまこのときが楽しそうな様子だ。横ばい。現状維持。それも一つのあり方なのだろう。 (取材・文・撮影:志和浩司)