介護職を始めてから激変?妻の浮気を知った夫が「まだよかった」と語った理由
「性産業のアルバイトじゃなくてよかった」
以上を信明さんに報告すると「性産業のアルバイトじゃなくて、よかった」と安堵していました。そして、「妻の浮気はショックですが……、実は黙っていましたが、僕は下の子が生まれたあと、男性機能不全になっていたので、これは仕方がないと思っています。ただ、相手が同じ職場なので、これは仕事をやめてもらうしかないかな」と寂しそうに話していました。 その翌朝、「山村さん、今日どこかで時間を作ってください」と電話をしてきたので、直接会って相談を受けることに。信明さんは「妻はあの男から、金を取られていたようなんです」と話し始めます。 妻は、介護の仕事も完璧主義と丁寧さから、時間がかかっていたようです。しかし、あの男性が仕事を教えるうちに、上達していき、半年前から恋愛関係に発展したそうです。 しかし、1ヵ月ほど前、妻は男性が訪問介護のときに窃盗をしていることを気づいてしまう。「わからないように、少しずつお金を取っており、月3万円程度とのこと。妻はそれをやめさせようとします。すると男性は“それじゃ、お前が代わりに金を払え。給料が安くて生活できない”と言われたのだとか」 男性は軽度の認知症になった88歳の母と同居しています。その介護にかかる費用も大変だと、妻を無料のヘルパーとして手伝わせていたそうなのです。 「男性は妻の他に女性と関係を持っている。妻は男性が別の女性と関係を持つたびに、男性の母親の介護をしていた。“信頼されていることが嬉しかった”と言っていましたが、それって、便利に使われているということですよね」 惚れた弱みにつけこんで、女性を利用する男性は少なくありません。特に、既婚女性の場合、「夫や子供にバラす」と脅されているケースもあり、まさに妻もそうだったのです。
妻と性交渉をしてくれた代理人だと思うことにした
「妻は男性と別れようと思ったこともあったそうですが、体のつながりや仕事のつながりもあり、やめられない。LINEがあるとウキウキして、体が条件反射のように動いてしまったと言っていました」 そうするうちに、私たちが調査に入り、浮気が夫・信明さんの知るところとなったわけです。 「妻は、その場で職場に辞める連絡をし、僕に対して謝っていました。僕もEDだし、妻を人として母として愛しているし大切に思っているので、許すことにしたのです。そして、男と浮気していたのは妻じゃないと思うようにしたのです。 かつて、妻は僕と性交渉をしようとして、僕が機能をしないと“もう私は、今後女としての喜びを感じないまま死ぬのね”と言っていました。男性は僕の代わりに妻と性交渉をしてくれた代理人だと思うことにしたのです」 車の下の缶ペンケースのお金は、妻のへそくりでした。タンス貯金をしていた旧1万円札を、新券に変えようとしていたとのこと。札束を持っているのは物騒なので、缶ペンケースに入れてカモフラージュしようとしたそうです。 諸々疑惑が晴れた信明さんはすっきりした顔をしていました。実は娘たちにも危うい兆候が表れていたそうです。妻は子供たちが寝た後に出ていたとはいえ、明け方帰宅した妻は疲れてもいます。夜中に起きても母親がいないことに直面して不安を抱え、夜中に何度も起きて朝起きられない、学校に行きたがらないということも出てきていたのだとか。困っている人を支える仕事がしたいという思いはとても貴重ですが、まずは家族の健康が大切と、働き方を見直す決意をしたそうです。セックスレスの問題など、信明さんと妻との間で考えていく必要はあるでしょうが、互いにきちんとコミュニケーションをしていくことで、ふたりなりの解決法を見つけることができるはずです。 それにつけても、介護の現場で従事する人の待遇改善は喫緊の課題だと感じました。頑張っても給料が増えないというのは、モチベーションの低下を招く。それが犯罪につながる可能性もあります。また、「介護」を社会で支える仕組みも必要です。浮気相手の男性も妻にひどいことをしていましたが、給与が低い中で88歳の軽度の認知症の母の介護に追いつめられていたのです。 介護は個人だけの問題ではなく社会で支える仕組みを作っていかなければならない問題だと感じました。 調査料金は50万円。(経費別)です。
山村 佳子(探偵事務所代表)