大会屈指の強度を誇る流経大柏。東海大相模は自慢のポゼッションサッカーでかいくぐれるか【選手権・準決勝展望】
「バレるまで12人でやるしかない」と冗談
対する東海大相模は、選手権初出場で4強入り。「就任したばかりの2011年を思い出すと、国立に行くなんて誰にも信じてもらえない。野球と柔道の高校でしたから」と有馬信二監督は懐かしむ。 国立に進んだ4チームの中では“後発”だが、決して力がないわけではない。「強いチームに行くのではなく、自分のやりたいサッカーをやるためにここに来た」と話す主将のMF長井隆之介を筆頭に、有馬監督が就任以降積み上げてきたポゼッションサッカーに憧れ、県内の実力者が多数入学している。 今年度はインターハイにも出場しており、3回戦で帝京長岡高に0-4で敗戦。「相手はプレミアリーグで、同じスタイルであるパスサッカーのチームに大敗したのは大きかった。そこでやっぱり基準を上げていかなければと感じて、練習強度が高くなった」。そう話すのは長井で、夏以降はポゼッションに強度が伴い、チームの質はワンランク上がっている。 躍進の鍵を担っているのは、前線で起用されるMF沖本陸とMF小林晄也の2人だ。「彼らの調子の良さが結果に繋がっている」と称えるのは有馬監督で、純粋なFWタイプではない2人が前線で時間を作りながら、ダブルボランチとの4人でボールを動かし、攻撃のリズムを作るのが東海大相模のスタイル。「強度を回避できるよう、ワンタッチ、ツータッチを使って(流経大柏のプレスを)回避させたい」(有馬監督)。大会屈指の強度を誇る流経大柏の中盤をいかにかいくぐって、自らの流れに持ち込めるか注目だ。 2人を起点に繰り出すサイド攻撃も効果的で、折り返しを中の選手が合わすのが得点パターン。飛距離十分なロングスローとニアへの配球を使い分けるDF佐藤碧も相手にとっての脅威でもある。 ここまで7人ものスコアラーが名を連ねる通り、特定の選手に頼らない攻撃パターンも守備の的を絞りづらく、相手にとっては厄介だ。準々決勝後、有馬監督は「大津に勝つ流経柏は相当凄い。4-4-3だと言って、バレるまで12人でやるしかない」と冗談を飛ばしていたが、したたかに勝利を狙っている。 取材・文●森田将義
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